1:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/17(金) 02:19:45.50 ID:zkz27ckRO
「やあやあ、キョンくん。奇遇だねっ!」
唐突ではあるが、SOS団の名誉顧問。
鶴屋さんについて、語らせて貰おう。
とはいえ紹介する前に彼女は颯爽と出現した。
「ん? なんだい? そんな見つめちゃってさっ! あたしの顔になんかついてるにょろ?」
この語尾がやたらにょろにょろしている鶴屋氏は、朝比奈さんと同学年の二年生であり、俺との関係は先輩後輩の間柄である。実に光栄だ。
「あっはっはっ! あたしの方こそ光栄さっ!」
快活な笑顔が眩しい。
自分もこんな風に笑えたらとつくづく思う。
チャームポイントである八重歯が輝いている。
「んー? おやおや、なんだい、キョンくん。あたしの八重歯っちが気になるのかいっ?」
八重歯っち……だと。
破壊力が留まるところを知らない。
防御力が底をつき、完全に無防備な俺に。
「そんなに気になるならキスしよっか?」
言葉を失うとは、まさにこのことだと思った。
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/17(金) 02:23:18.19 ID:zkz27ckRO
「あっはっはっ! なんだい、その顔は?」
その顔とはどの顔のことだろう。
今、自分がどんな顔をしているのか気になる。
しかしそうは言っても、一介の男子高校生に過ぎない俺は、手鏡など持ち合わせてはおらず、それを見透かした鶴屋さんが手鏡を取り出し。
3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/17(金) 02:25:13.11 ID:zkz27ckRO
「ねえねえ、キョンくんっ!」
まるで好奇心旺盛な、かわいい子猫のように。
あるいは獲物を追い詰める獅子が虎のように。
しなやかな身体をくねらせて顔を覗いてくる。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/17(金) 02:28:37.58 ID:zkz27ckRO
「ハルにゃんとはどんな風にしたんだいっ?」
先程とは一転、無邪気に尋ねられて思い返す。
たしか、こうやって肩に手を置いて見つめて。
ポニテが好きだとか何とか世迷言をほざいた。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/17(金) 02:30:13.46 ID:zkz27ckRO
「ん……いいよ」
そう言って、目を閉じる鶴屋氏。
これが俗に言うOKサインなのだろうか。
そうだ。きっとそうに違いない。いざ、参る。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/17(金) 02:32:11.59 ID:zkz27ckRO
「んっ……はふっ」
きつく抱きしめると、鶴屋さんの口からそんな甘い吐息が漏れて、俺の耳朶に快感が生じた。
「キョンくん……痛いにょろ」
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