キョン「好きだ」佐々木「えっ?」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/11(土) 21:36:33.06 ID:tYd/KiKIO
「キョン……僕の話を聞いてるのかい?」
「んあ?」
「どうやら全く聞いてなかったようだね」

あれはまだ、俺が中坊だった頃。
同じクラスに佐々木という変わった奴が居て、同じ学習塾に通ったこともあり親しくなった。
変わっていると言っても、どこぞの団長様のように毎日髪型を変えたり校庭に地上絵を描いたりすることはないのだが、何故か男子相手に限定で、まるで男のように振る舞う奴だった。

「すまん、なんだって?」

季節は冬であり、まるで強いられているかの如く、狂ったように温風を吐き出す教室内に設置された暖房の熱気にやられて、授業の後、ぼうっとしていて聞きそびれた俺に、佐々木はやれやれと嘆息して、こんなことを尋ねてきた。

「だから、もしキミが貰うならマフラーと手袋だったらどちらが必要かと聞いているんだ」

なんだ、何かと思えばそんな話か。
マフラーと手袋。究極の選択である。
守るべきは手か首か。悩みどころだ。
急所という意味ではまず真っ先に首を守るべきだろうとは思うが果たしてそれが正解なのか。

すぐに返事が出来ない優柔不断な俺を見て、佐々木はまたしてもやれやれと首を振り、くつくつと喉の奥を鳴らして笑った。

「そんなに悩むことかい?」
「若いんだから、悩ませろよ」
「それは若者の台詞ではないと思うよ」

それもそうだなと思い、俺は結論を出した。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/11(土) 21:38:36.63 ID:tYd/KiKIO
「マフラーが欲しい」
「ふむ。それは何故?」

ほらな、やっぱり佐々木はこういう奴だ。
人に悩むなと言いつつも理由を求めてくる。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/11(土) 21:41:43.00 ID:tYd/KiKIO
それから1週間ほどが経過して。

「見たまえ、キョン」
「どうした、佐々木」
「ついにマフラーが完成したんだ」
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/11(土) 21:44:07.19 ID:tYd/KiKIO
「佐々木」
「なんだい、キョン」

放課後、俺と佐々木は一緒に下校した。
シベリアから吹き荒れる風が冷たかった。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage]
2020/01/11(土) 21:48:06.52 ID:nn6YrDVS0
フハッ

ぶりゅりゅりゅりゅ


以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/11(土) 21:51:07.95 ID:tYd/KiKIO
「キミをどうにかする権利をくれるのかい?」

視線を斜め左下の地面に固定した俺の頬に、佐々木はおもむろに手を伸ばして、ひんやりとした指先で優しく撫でてきた。ゾクゾクする。
佐々木は今、どんな顔をしているのだろう。

以下略 AAS



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