キョン「好きだ」佐々木「えっ?」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/11(土) 21:41:43.00 ID:tYd/KiKIO
それから1週間ほどが経過して。

「見たまえ、キョン」
「どうした、佐々木」
「ついにマフラーが完成したんだ」

その日、佐々木は何やら一日中ソワソワしていて、俺はてっきり牡蠣にでも当たって腹を下したのだろうと思っていたのだが、その予想は残念ながら外れ、鞄からマフラーを取り出した。

「どうだい? 上手いものだろう?」

茶色の毛糸で編まれたそれをしげしげと見物する俺に、佐々木はさも得意げに発展途上の胸を反らして自らの編み物の腕前を誇っている。

「ああ、たいしたもんだ」
「やっているうちに楽しくなってね。ついつい長めに編んでしまったが、なに、大は小を兼ねるから問題はあるまい。二重にだって巻ける」

そう言って、佐々木はその正当性を証明するように自分の細い首に長いマフラーを巻きつけていく。たしかに、とても暖かそうに見えた。

「長いものには巻かれろとも言うしな」
「キョン、その使い方は間違っているよ」

マフラーの下からモゴモゴ突っ込む佐々木があまりにも可愛らしくて、つい笑ってしまった。

「キョン、何がそんなにおかしいんだい?」
「いや、やっぱり変わり者だと思ってな」
「そうとも。僕は変わり者で、その個性は唯一無二だ。今更文句があるとは言わせないよ?」

唯一無二の親友に文句なんてあるわけがない。


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