6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/11(土) 21:51:07.95 ID:tYd/KiKIO
「キミをどうにかする権利をくれるのかい?」
視線を斜め左下の地面に固定した俺の頬に、佐々木はおもむろに手を伸ばして、ひんやりとした指先で優しく撫でてきた。ゾクゾクする。
佐々木は今、どんな顔をしているのだろう。
「キョン、こっちを見て」
俺とて、見たいのはやまやまだが、見れない。
恥ずかしいのはもちろんだけど、それよりも。
見たら何かが変わってしまいそうで怖かった。
「やれやれ、キミはお礼も言えないのかい?」
「……ありがとよ」
なんとかお礼を喉から絞り出すと、佐々木は正面からまた俺の隣にきてこちらの手を握った。
「手袋の代わりだよ」
佐々木の手は冷たくて、手袋の代わりにはなりそうもなかったが、お礼に俺が暖めてやった。
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