261: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:52:06.91 ID:ZRhpxi3E0
瑞希「それはつまり……高山さんは、毎晩走っておられるということですか?」
「ああ……いや、はい。最初は自転車使わずに一緒に走ってたんだけど、だんだん追いつけなくなって、ママチャリに乗るようになって、それでも追いつけなくなってちゃんとした自転車買って、そして今はあれを組んでるとこです」
瑞希「あれ……ほほう、緑色の綺麗な自転車ですね。び……びあん……き?」
262: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:53:07.38 ID:ZRhpxi3E0
「こんなにのんびり走るの、久しぶりかな」
瑞希「つまり高山さんは、もっと早く走っているのですね?」
263: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:54:15.76 ID:ZRhpxi3E0
来客用のベッドに横になりながら、それでも瑞希は紗代子が心配だった。
紗代子の家族は心配していなかったが、あれだけの精神的なショックを受けて、それでも一晩で立ち直れるものだろうか。
いや、もし立ち直れなかったとしたら、紗代子はアイドルをやめてしまうのではないだろうか。
264: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:55:19.00 ID:ZRhpxi3E0
朝がきた。
結局ほとんど眠れなかった瑞希は、紗代子の部屋の前で座り込んでそのドアが開くのを待っていた。
紗代子「あれ……瑞希……ちゃん!? なんでここに!?」
265: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:56:12.99 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「こんなの……あの時にくらべれば……765プロのオーディションを落ちたあの日の夜にくらべれば、なんでもない!」
瑞希「私は、もしかして高山さんがアイドルをやめてしまうのではないかと、心配していました」
紗代子「やめないよ。やめない……このままじゃ、絶対にやめない! 今度は私が……」
266: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:57:02.98 ID:ZRhpxi3E0
のり子「あ、紗代子! 大丈夫?」
紗代子「のり子さん、ご心配おかけしました。もう大丈夫です」
267: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:57:57.57 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「それでプロデューサーは?」
未来「あ、うん、それが……」
紗代子「? どうしたの?」
268: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:59:01.01 ID:ZRhpxi3E0
翼「え〜? なんでわかるの?」
風花「紗代子ちゃんのプロデューサーさんは、逃げ出しちゃったわよね?」
志保「はい。うろたえた様子でした」
269: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:00:07.44 ID:ZRhpxi3E0
桃子「もう、育が見つけた、あのトマソンだよ!」
環「とまそん……?」
育「私たちが、かくれぼしてた時に見つけた、あそこのことだよ」
270: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:00:57.22 ID:ZRhpxi3E0
美奈子「ここって……壁じゃないの?」
育「わたしが見つけたんだ。ここの足下に触ると……あれ?」
271: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:02:25.60 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「みんな、私に任せて」
琴葉「もちろん紗代子が一番の当事者だから、いいけど……まさか紗代子も壁を壊して無理矢理入ろうって言うんじゃないわよね」
紗代子「そ、そんなことはしません」
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