191: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:15:32.40 ID:ZRhpxi3E0
『プロデューサーも敗者だった』
192: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:16:03.25 ID:ZRhpxi3E0
「歌姫様は、ご機嫌ナナメかい」
「ナナメどころか、癇癪玉をぶつけてきてるよ。どうすんだ、もうすぐ本番だってのに、リハーサルもできちゃいない」
場所はラスベガス。その中にあるベガスを代表する有名ホテル、シーザース・パレス。
歌姫、とやや揶揄の隠った呼ばれ方をされている少女は、そのロイヤルスイートに立てこもっていた。
193: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:16:34.26 ID:ZRhpxi3E0
「よー……ちゃん?」
震える指先が、ヒットした検索結果の一番上を開く。
そこにはあの765プロの新入アイドルとして、高山紗代子の名とプロフィールが掲載されている。
194: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:18:07.87 ID:ZRhpxi3E0
「準備はすべて終わっている。リハもしてないが、いけるのか?」
彼女は答えなかった。代わりに、ハイトーンで歌い始める。
「馬鹿な。まだステージじゃないんだぞ」
195: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:18:44.76 ID:ZRhpxi3E0
翼「歌姫にラスベガスが揺れた。デビュー間もない新鋭歌姫。既に貫禄のショー。えっと……これなんて読むのかな〜?」
未来「えっと……さ……し? す……違うかな、せ……そ?」
196: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:20:43.85 ID:ZRhpxi3E0
静香「じゃあやっぱり、このShahっていう人、中央アジア出身なのかな」
翼「とか言って案外、日本人だったりして〜」
のり子「まっさか〜。でもそんなにいい歌なら、ちょっと聞いてみたいよね」
197: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:21:19.61 ID:ZRhpxi3E0
可憐「ほ、本当にお知り合い……なんですか?」
紗代子「ど、どうかな……なんとなく見たことあるような気がするだけのかも知れないし……」
琴葉「写真も白黒で小さいしね。東洋系だから、親近感あるだけかも知れないわね」
198: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:21:47.35 ID:ZRhpxi3E0
P「どうしました?」
小鳥「あ、あの、ええと、そ、その、さ、紗代子ちゃん」
紗代子「え?」
199: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:23:22.96 ID:ZRhpxi3E0
小鳥「ハッ! そ、そうじゃなくて、その週刊誌……」
ヒソヒソと小鳥は紗代子に言い、手を出す。
よくはわからないが、言われるまま紗代子は週刊誌を渡す。
200: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:23:51.24 ID:ZRhpxi3E0
この所……そう、先日の紗代子のセンター公演以来、プロデューサーは毎日劇場にやってくるようになった。
それに伴い、紗代子のレッスンは格段にすすんだ。やはり、一度行ったレッスンを後で確認してから指示を出すのと、その場で指示を出すのとでは内容は同じでも早くそして的確だった。
ひとつ予想外だったのは、彼が毎日顔を出すようになると、他のアイドル達もアドバイスや指導を求めるようになった事だ。
344Res/278.89 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20