サイタマ「お前って普段、パンツ穿いてないのか?」タツマキ「おやすみ」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/20(日) 20:58:34.28 ID:01arW23NO
「……ただいま」

無人の部屋に自分の声が虚しく響く。
それなりに広いマンションに一人暮らし。
とはいえ、ここには寝に帰るだけだ。
ここが自分の家だという感覚は薄い。

なにせヒーローは忙しい。
昼夜問わず、怪人は現れる。
その度に西へ東へ北へ南へと奔走する毎日。

何の為にと問われれば、自分の為だ。
表向きはストレス発散と言い張っている。
だけど、本当は。

「……お風呂が沸いたわね」

ワンピースを脱いで、湯船に浸かる。
このひとときが唯一、心安らぐ瞬間だ。
怪人共の薄汚い返り血を綺麗に洗い流す。

気まぐれに能力でお湯を中空に浮かしてみた。
球体となって浴室に漂う、お風呂の水。
そこに貧相な自分の姿が映り込んでいた。

超能力のせいか、この身体は老化しない。
子供の頃のまま、成長が止まっている。
今となっては知らぬ者が居ない程、ヒーローとしての知名度を誇る私だが、何も知らない者からしたらただの子供にしか見えないだろう。

「フブキが羨ましいわ」

この時だけは、能力に劣る妹が羨ましかった。
妹のフブキは年相応に成長を遂げている。
そして最近は、精神的にも変わり始めていた。

あの子は目に見えて成長し、強くなっている。

「それに比べて私は……はあ」

溜息と共に超能力を解除する。ちゃぽん。
浮かんだお湯は落下して再び湯船を満たした。
何も変わらない自分が、酷く惨めだった。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/20(日) 21:01:19.25 ID:01arW23NO
「たまにはお酒でも飲もうかしら」

風呂上がりに冷蔵庫を漁りビールを取り出す。
こんな見た目でも私は成人であり、28歳だ。
気分転換にと思い、プルタブを開ける間際。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/20(日) 21:04:54.24 ID:01arW23NO
「オレ様は爆弾魔ン! その名の通り、爆発物のエキスパート! ちなみにそこら中に地雷が仕掛けてあるから少しでも動けばドカンだぜ!」
「ふん。私には通じないわ」

地雷原をわざわざ歩くつもりはなかった。
超能力で浮かべば地雷など踏まずに済む。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/20(日) 21:06:35.73 ID:01arW23NO
このまま、負けてしまうのかも知れない。
敗北の二文字が脳裏に浮かんだその時、爆風とは異なる一陣の風が颯爽と吹き抜けて。

「…………?」

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/20(日) 21:08:58.87 ID:01arW23NO
「大丈夫か?」

気がつくと、空気の振動が収まっていて。
私はまた、誰かに優しく抱き上げられた。
目は見えないが、耳はいくらか回復して。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/20(日) 21:10:45.10 ID:01arW23NO
「もう平気なのか?」
「ええ、もう大丈夫よ」

伊達にS級ヒーローではない。
視覚も聴覚も既に回復している。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/20(日) 21:13:59.55 ID:01arW23NO
「マント、随分汚れちゃったわね」
「ああ、帰ったら洗濯しないとな」
「だったら、私が洗ってあげるわ」

というわけで、彼のマントを洗ってあげた。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/20(日) 21:16:11.48 ID:01arW23NO
2人で2本目のビールを飲んで。
3本目、4本目のビールを飲み干して。
気がつくと、それなりに時間が経っていて。

「そろそろ洗濯終わったんじゃないか?」
以下略 AAS



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