サイタマ「お前って普段、パンツ穿いてないのか?」タツマキ「おやすみ」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2019/10/20(日) 21:06:35.73 ID:01arW23NO
このまま、負けてしまうのかも知れない。
敗北の二文字が脳裏に浮かんだその時、爆風とは異なる一陣の風が颯爽と吹き抜けて。
「…………?」
不意に、爆発が止んだ。
背中、肩、そしてふとももに感触が伝わる。
それはまるで鍛え抜かれた腕の感触のようで。
「ーー?」
私は思わず、ヒーローの名を口走った。
昔、私を助けてくれたヒーローの名前。
S級ランキング1位の、ブラストの名を。
果たして彼は、答えたのだろうか。
聴覚を失った私には、何も聞こえない。
ただ静かに、優しく、地面へと寝かされた。
そして再び、風が吹き抜けた。
空気の振動が肌に伝わる。
きっと戦闘が繰り広げられているのだろう。
援護しようにも、今の私は無力だった。
爆炎の熱風に晒されて、酷く喉が渇いた。
いずれこんな日が来ることはわかっていた。
S級ランキング2位とはいえ、無敵ではない。
もちろんただでやられるつもりはなかった。
いざとなれば、前後不覚だろうが無差別に周囲を超能力で破壊して怪人を倒すつもりだった。
しかし、そのあとはどうなるだろう。戦闘後。
怪人よりも町に被害を出した私は、どうなる。
ヒーローではなく、怪人に成り下がるのでは。
もしそうなったら、私はきっと憧れのヒーローであるブラストに失望され、そして彼の手で倒されてしまうのではないかと不安になって。
「ぅ……ぁ……」
結局、大人しく地面に横たわり、誰かが怪人を倒してくれることを願って、悔し涙を流した。
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