90:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:45:27.09 ID:pYPvRrqT0
冗談めかして言う春香に、千早は微笑みを返す。
それから、少し表情を改めて言った。
千早「ごめんなさい。約束を破ってしまうことになるけれど……。
今は私、歌いたいの。さっきのステージの感覚がまだ残っているうちに……。
91:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:46:29.35 ID:pYPvRrqT0
千早「だから、その……。どのくらいまでかかるか分からないから、春香は先に帰ってて。
二人でご飯を食べる約束は、またいつか必ず……」
一転、申し訳なさそうな表情を向ける千早。
そんな千早に、やはり春香は変わらない笑顔を向けたまま、
92:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:49:31.09 ID:pYPvRrqT0
・
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未来「――うわぁーーん! 静香ちゃん良かったよぉーーーー!
すっごく、すっごくすっごくすっっっっごくかっこよかった!!」
93:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:50:25.70 ID:pYPvRrqT0
翼「……静香ちゃん?」
不意に黙り込んでしまった静香の顔を、翼が覗き込む。
しかしすぐに静香は顔を上げ、少し申し訳なさそうに笑った。
94:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:51:31.25 ID:pYPvRrqT0
翼「うん……わかった。それじゃ、また元気な時に三人で行こ!」
静香「ええ。それじゃ、私はもう少し休んでいくから二人は先に帰ってて」
翼「はーい。じゃ、また明日ね!」
95:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:53:17.32 ID:pYPvRrqT0
未来「うぅ……はーい、ごめんなさい。
それじゃ元気になったらいっぱい、いーっぱい、お話しようね!」
はいはい、と静香はため息交じりに笑って返す。
そんな静香に改めて別れの言葉を述べて、翼と未来はドアノブを回した。
96:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:54:14.45 ID:pYPvRrqT0
部屋に一人。
聞こえるのは自分の息遣いと、遠くで聞こえる何かの音だけ。
だが静香の目には、耳には、未来が最後に残した表情と言葉が残り続けていた。
静香「……次はきっと勝ってね、か……」
97:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:56:11.52 ID:pYPvRrqT0
なんでかな。
ずっと分かってたことなのに、今になってやっと実感が湧いてきた。
みんな本気で応援してくれてたし、私も間違いなく本気だった。
今までに無いくらいの最高の歌が歌えたとも思う。
98:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:58:45.37 ID:pYPvRrqT0
握った拳が震える。
肩が震える。
息が苦しい。
嗚咽が抑えられない。
涙が止まらない。
99:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/07(月) 21:00:12.69 ID:pYPvRrqT0
これで終わりです。
付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ様でした。
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