【艦これ】山城「不幸のままに、幸せに」
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185: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/26(水) 00:05:09.93 ID:qvCJo9Rv0
―――――――――――
ここまで。

書けるところを書けるぶんだけ。


186:名無しNIPPER[sage]
2020/02/26(水) 00:15:36.15 ID:V6mPFPEGO
乙、筆が乗ってる時に突っ走るのは良いことだよ、案外そんな時の方が面白いモノが書ける


187:名無しNIPPER[sage]
2020/03/05(木) 04:16:44.89 ID:rKFui6ino
おつおつ


188: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/08(日) 11:01:18.31 ID:d80kTEDO0

 佐世保鎮首府はとにかく巨大だった。広大だった。
 護岸工事が為された岸部のすぐそばには中枢施設が三棟建っている。それぞれが四階建ての集合住宅ほどは有りそうなサイズで、渡り廊下によって繋がり、鳥瞰すれば「コ」の字型になっているのがわかるだろう。

 開いた部分から建物を見て左側が佐世保鎮首府の艦娘たちの宿舎である。一階が玄関と浴場、談話室を兼ねた食堂となっており、二階以上は全て居室。二人部屋が十八、一人部屋が十二あるそうで、割り当ては階級によって決まっているらしい。
以下略 AAS



189: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/08(日) 11:02:21.47 ID:d80kTEDO0

 こんなしっかりとした施設を建ててペイできるのだろうか? そんな考えを持ち込むのは、もしかしたら資本主義に毒されているのかもしれない。国防は政治経済と切っても切り離せない関係だけれど、政治経済によって国防の揺らぐことはあってはならないことだと思う。
 恐らくこの佐世保という鎮首府は実験施設でもあるのだ。より艦娘を効率よく運用し、兵器として転用させる方法を、上層部は日夜探っているに違いない。有用性を判断されたものだけが、全国の前線基地へと膾炙する。
 海軍の敵は何も深海棲艦ばかりではない。空軍も言ってしまえば――悲しいことに――そうなのだろう。だから大淀がいる。そして技術供与を受けている神祇省相手にも、対抗意識を燃やしている。

以下略 AAS



190: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/08(日) 11:02:55.17 ID:d80kTEDO0

 じじ、じっ、じりっ、じりじじ、じじぃっ。

 脳内で砂嵐が吹き荒れる。
 考えるな。考えてはいけない。
以下略 AAS



191: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/08(日) 11:04:19.94 ID:d80kTEDO0

 出入りしている業者の詰所、防災倉庫、あるいは資材庫など、説明を受けながら鎮首府内を回るだけでもゆうに一時間は経過してしまっていた。夕張は先頭を歩きながら快活に、こちらを見ながら後ろ歩きで、捲し立てるように言葉を紡ぐ。
 私たちは所属ごとに塊になりながら歩いていた。「浜松泊地」、呉、パラオの順番だ。さきほどの顔あわせの時にはいなかった、呉とパラオの残りの五人もいる。やはりどこも六人一組で作戦にあたるようだ。

 夕張が私たちを案内するのは、勿論私たちが作戦終了までこの佐世保に厄介する以上は当然なのだが、それ以上に牽制の意味を込めているように感じられた。
以下略 AAS



192: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/08(日) 11:15:48.58 ID:d80kTEDO0

 
 あぁくだらない。私は意識して大鷹の、言葉遊びではないけれど、まるで太陽にも似た温度の手のひらを確かめた。
 派閥やら、利権やら、面子やら、そういった面倒くさいモノモノが世の中にはたくさんある。それら全てが悪で不必要だと断言できるほどには私は青くも熟れてもいない。しかし、かといって、許容できるほどのおおらかさもない。
 作戦を成功に導くことこそが第一義。でも、防衛省にも国にも忠誠を誓ったことは一度たりともなくって。
以下略 AAS



193: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/08(日) 11:16:25.36 ID:d80kTEDO0

 視界の中では青葉が夕立と交渉していた。「もう少し」だとか「そこをなんとか」だとか聞こえてくる。大方鎮首府の中の写真をどれだけ、どこまで撮ってもいいかを確認しているのだろう。

 誰もが幸せになりたいのだ。なりたがっている。けれど、希求……そう、希求だ。希う。あるいは恋のように、激しく燃え盛る心の火炎を宿す人間が、どれほどいるか。
 たとえばいま盛り上がっている青葉と夕立、彼女たちにも彼女たちなりの幸せのかたちがあって、それを求めているはずだ。果たしてその恋は身を焼き焦がすほどなのか。
以下略 AAS



194: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/08(日) 11:17:45.72 ID:d80kTEDO0

 大鷹は歩みを止めないままに私の指を数度ぎゅ、ぎゅと握る。その存在を確かめるように。そうして、いつになく真剣な面持ちで、言う。

「なりたいです。なりたくて、たまりません」

以下略 AAS



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