いつかの月が君に微笑む
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32:名無しNIPPER
2019/08/18(日) 00:33:09.93 ID:dFRsY6OS0
?昨日と同じく瑞穂におやすみと声をかけて自室に戻ると、今晩は机に向かうことにした。?

?寝坊したうえに、一日佐々部と水原に捕まってたせいで宿題に手をつけていなかったからだ。自分の性格上、一日でもサボってしまうとそれが癖になってしまうことは自分で分かっていた。?

?数学の教科書を開いて、二次関数がなんだ数列がなんだと羅列された文字と数字を追いかけていく。?

?これを覚えることに意味があると思えないのは、俺が島の中のことしか知らないからだろうか。それとも、島外の学生も、数年前の瑞穂も意味がわからなくとも勉強していたのだろうか。?

?こういう時、佐々部は良いなと思ってしまう。家業の漁師を継ぐとさえ決まっていれば、自分で何かを考える必要はなくなる。とはいえ、島外に出たがっている佐々部からするとそれは違うらしいんだけど。?

?「進路か……」?

?改めて、自分が何も考えていなかったことに気がついた。選択の時は、もうすぐそこだというのに。?

?実際、島外に出るの自体は再来年の春だとしても、大学進学なり、島内で何か仕事に就くなりするなら、その決定まではあと一年も時間はないだろう。少なくとも、それまでに進学を決めずに大学に受かるほどの学力は無いと自覚している。?



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