いつかの月が君に微笑む
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24:名無しNIPPER[saga]
2019/08/15(木) 22:27:06.62 ID:whXTmqj1O
「佐々部ぇー、いるー?」

「あー……水原ぁ?」

だらけた返事が家の中から聞こえてきた。夏休み二日目にして自堕落な生活を過ごしているのは俺だけじゃないらしい。

寝間着姿のまま玄関に現れた佐々部は、目をこすりながらこちらを見て何度か首を傾げながら問うてきた。

「えー……そちらの尾関瑞穂そっくりなお姉さんはどちら様?」

「あれ、知り合いだった?」

水原がキョトンとした顔で問い返した。僕も同じくクエスチョンマークを浮かべた表情で佐々部を見る。

「いや、初見。だから誰って聞いてんの」

「え、でも名前知ってるじゃん」

「いやだから、尾関瑞穂に似てるなって思っただけで、誰なんだって」

いよいよ話が分からなくなってきて、後ろに立つ瑞穂に視線を送ると、彼女は自己紹介を始めた。

「こんにちは、佐々部くん? 私は瑞穂、尾関瑞穂。たぶん、あなたの知っている」

「……っは? え、え、えええええ?!」

間抜けな寝起き面だった佐々部が、急に目を開いて奇声をあげた。かと思うと、自室に走って戻っていき、漫画雑誌を手に戻って来た。

「この?! この?!」

指さしたその表紙には、絶世の美女と評するのが正しいような美女が映っていた。名前は、尾関瑞穂というらしい。


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