19: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2019/07/24(水) 12:34:27.93 ID:rmJoFnhWo
「そうっすね」
私は頷いた。
決して同じ空をみられなくたって、私たちは同じ空をみているのだと思えるのなら、それだけでも私は嬉しい。
20: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2019/07/24(水) 12:34:59.54 ID:rmJoFnhWo
「しかし、そう考えると、あさひの言った水槽の喩えはなかなか面白いな」
「そうっすか?」
「空の青さに水を連想することはさして珍しくもないけれど、その場合、普通は私たちが水の側にいるんだよ」
21: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2019/07/24(水) 12:35:33.16 ID:rmJoFnhWo
「もう行くんすか?」
私は尋ねる。
22: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2019/07/24(水) 12:36:30.82 ID:rmJoFnhWo
最初の一歩を踏み出したのは、プロデューサーさんのほうが早かった。
その背中を追いながら、私は好奇心で訊いてみる。
「プロデューサーさん」
23: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2019/07/24(水) 12:37:07.67 ID:rmJoFnhWo
彼女が何と答えるのかは、何となくだけれど予想がついていた。
それでも私は尋ねた。
理由なんて特にない。
あったのは、だから、ただの好奇心それだけだ。
24: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2019/07/24(水) 12:37:39.28 ID:rmJoFnhWo
「どうだろうね」
彼女はわずかに首を傾げて、口元に微かな笑みを浮かべた。
こんなにも冷たい冬の中で、まるで春の陽気に思いを馳せているような、穏やかで柔らかい笑顔だった。
25: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2019/07/24(水) 12:41:14.88 ID:rmJoFnhWo
終わりです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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