善子「それでも私は■■を愛して生きていたいのです」
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12:名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:23:29.53 ID:gGVI8GvBO
授業が始まってから三分ほどしてから、ルビィは教室に戻ってきた。なんでも、母親に浴衣の柄の指定をしていたら時間が始業時間が過ぎ差ていたらしい、呑気なものだ。


先程の花丸との会話で、私は一つ、小さな嘘をついた。

以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2019/07/21(日) 04:24:20.43 ID:gGVI8GvBO
「死が堪らなく怖い」

一度中学生の頃に私のこの精神状態について、調べた事がありました。

ほんの数分の検索で、あっさりと目的の情報まで辿り着きました。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2019/07/21(日) 04:24:54.79 ID:gGVI8GvBO
この症状を人肌が恋しいのと勘違いして、狂ってしまう人などもいるそうです。気が狂い、頓珍漢な宗教に傾倒してしまう人も少なくは無いそうです。

私の身には、幸運な事にその機会は無く、また同時に、そうなれたらどんなに楽だったか、時々考えてしまいます。

正気のまま、正気を失っていくのは、苦しい物です。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2019/07/21(日) 04:25:22.94 ID:gGVI8GvBO
【狩野川 川岸】

ルビィ「あ……あれ、善子ちゃんじゃない?」

花丸「ホントずら、おーい!」フリフリ
以下略 AAS



16:名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:26:15.28 ID:gGVI8GvBO
川の上を、ぼんやりとした光が流れて来る。緩やかなこの川の流れに沿って、対岸からゆっくりと灯篭がこちらへとやって来ます。

気が付けば、昼間の太陽の熱がまだ残る川沿いに多くの人が集まっていました。

普段寂れて人が居ない商店街が並んでいるというのに、祭事た催し物があると庭の隅のアリの巣をつついた様に、何処にいたのか分からない程の数の人が集まって来るのが、この町の特徴です。
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2019/07/21(日) 04:27:48.30 ID:gGVI8GvBO
この行為の意義を、考えてしまった。

もしも自分が死んだとして、自分を偲び、家族や親戚がこの場に足を運んで、こういった催しに参加してくれたのならどうだろうか?

私なら多分、嬉しいと思う。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:28:31.39 ID:gGVI8GvBO
この夜私は初めて、件の思考を他人に打ち明けることにしました。ルビィと花丸の二人にです。

半ば解放されるかもという希望を持って、が半分。勇気を出して死に触れたのに何も変わらなかった現実に対して自暴自棄な気持ちを持って、が半分でした。

きっと二人なら、笑い飛ばしはしないだろう。そこだけは、絶対に信用できる。ただ、理解してもらえるかは、全く分からなかった。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:29:09.76 ID:gGVI8GvBO
ルビィは、心配そうな目をしていました、「辛くなったらいつでも電話かけて来てもいいからね、夜中でもルビィ、こっそり家を抜け出して電話に出るから」そう言ってくれました。

ルビィは、優しい子でした。
きっと、その答えは友達として「正解」なのでしょう。

以下略 AAS



20:名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:30:14.22 ID:gGVI8GvBO
ちゃぽん、ちゃぽん


無音のバスルームに水をかき回す音が静かに響く。

以下略 AAS



21:名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:30:49.03 ID:gGVI8GvBO
善子「……帰って」

「冷たいわね〜いいじゃない、少しくらい」

善子「こっちはアンタになんか構ってられないの!帰って!」
以下略 AAS



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