36: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 16:10:09.18 ID:UfnhAP/w0
彼の吐息が激しくなっていくのを感じます。
呼吸や姿勢に苦しんでいるのではありません。
そうであれば、こんなに熱を帯びたりはしないハズですし、
うつぶせに寝転んだまま腰だけをずりずりと動かすなんてしないでしょう。
37: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 16:10:35.76 ID:UfnhAP/w0
ぐじゅぐじゅする座布団の感触が冷たさを伴い始めました。
…どれほど経ったでしょうか。溢れるほどの熱を感情のままに吐き出して、少し落ち着きを取り戻します。
絶え絶えの息で、笑みを浮かべている。そこまでは自分でもわかっていたのですが、
よもやだらしなくヨダレで襟元を濡らしているとは、このときやっと気付きました。
…こんなだらしのない顔を見られるわけにはいきません。
38: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 16:11:06.07 ID:UfnhAP/w0
私と眼があって、それでも笑んだままで、…思わずつられて私もまた笑み返しました。
と同時に。その顔の向こう、さきほどまで小刻みに動いていた彼の腰が、
中途半端に浮かされたままになっているのが見えました。
ヨダレを拭ったそのままに、彼の頬を抱えるように、両の手を差し伸ばして。
39: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 16:11:35.28 ID:UfnhAP/w0
自身が果たして何者なのかさえあやふやになるほどわからなくなった私ですが、
もしも私がどうしようもなくヒトであり、綴る人生を本に例えられるとするならば。
それを誰に読み進めてもらうのが幸せか。
私には、1つ、答えが見つかった気がします。
40: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 16:12:10.03 ID:UfnhAP/w0
「本に、命を」
41: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 16:12:53.40 ID:UfnhAP/w0
以上となります。
お読みいただきありがとうございました。
こちらは、とあるアンソロジー企画に寄稿させていただいたSSです。
文香にぎゅーっとして貰いたい。
42: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 16:13:26.91 ID:UfnhAP/w0
以前に書いたもの
佐久間まゆ「記憶喪失のプロデューサーさん…♪」
43:名無しNIPPER[sage]
2019/07/14(日) 17:20:27.26 ID:u9jXEb4iO
おつ
でもRでやるべきなのでは
44:名無しNIPPER[sage]
2019/07/14(日) 18:36:25.49 ID:yA6STslJO
かーっ!
45:名無しNIPPER[sage]
2019/07/17(水) 07:51:33.72 ID:84aZ1ysz0
乙……いい、めっちゃ良いねぇ
46:名無しNIPPER[sage]
2019/07/17(水) 15:35:21.53 ID:FC0uy+mH0
最高
46Res/41.65 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20