鷺沢文香「本に、命を」
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36: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 16:10:09.18 ID:UfnhAP/w0
彼の吐息が激しくなっていくのを感じます。
呼吸や姿勢に苦しんでいるのではありません。
そうであれば、こんなに熱を帯びたりはしないハズですし、
うつぶせに寝転んだまま腰だけをずりずりと動かすなんてしないでしょう。

さながら洞窟に逃げ込んだ冒険者を仕留めようと、入口からドラゴンが焔を吐くように、
彼の吐熱が私の内を灼き尽くさんと渦巻いて。
ともすれば入口をも壊さんとする勢いで何度も何度も体当たりを繰り返します。
実際はそう動いていなくとも、それほどの衝撃になって私を駆け巡って、また吐息を吹き込んで。
いつしか洞窟の水源を掘り当て、しかし熱泉にも怯まずに責め続けるのです。

どうして、…どうして、こんなにも求めて貰えることに、見て貰えることに、歓喜してしまうのでしょうか。
拒む理由も何もない私は、ついには彼の頭を両の手でがしりと掴み、閉じていた脚をがばりと開き、
狂えるほどにむぎゅうと押し付け、そして、そして。


彼の顔に、粗相を排してしまいました。
ともすれば、汚してしまいたいと願ったそのままに。

 


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