31: ◆DbvMVEE3z2[sage saga]
2019/06/16(日) 00:40:46.99 ID:RAUxaTtJ0
「すみません、変なこと言って。こうして劇場にいることも皆さんと出会えたこともどれも素敵な経験で、できることならもう一度同じ道を進みたいなと思っているんですよ」
今の私はうまく笑えているだろうか。いま言ったことは本心。
でも、そう思えるくらいに素敵な道だったとしても。その道が実は大和撫子に繋がっていないのなら今までの私の努力は一体なんだったのか、なんて強くない私はきっと思ってしまう。
だって私が努力してきたすべての理由は。
大和撫子になりたいからで。
誰かに笑われても自分で無理かもしれないと思っても、ただそれだけを強く願ってきた。
日本という国を知って、大和撫子という言葉を知って、なりたいと思ってきた私だから。
やっぱりどうしても大和撫子になりたい。
この道の先にあるのはどうしたって大和撫子がいい。
「……これは、エミリーには言わないでいるつもりだったんだけどさ」
「仕掛け人、さま?」
なんとなく仕掛け人さまの表情が曇ったような気がする。変なことを言ったから心配させてしまったのだろうかと思い、「大丈夫です」と言おうとする前に仕掛け人さまは口を開いた。
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