【ミリマス】馬場このみ『衣手にふる』
1- 20
297: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:21:20.42 ID:Bg3Eqo0s0

あるとき、このみの手に、何か硬いものが触れた。
莉緒が手に何かを持っているのだと分かった。
それは表面が少し水で濡れていて、冷たかった。

以下略 AAS



298: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:21:58.36 ID:Bg3Eqo0s0

ふと部屋を見渡せば、部屋の反対側の端のローテーブルに、風花とこのみのプロデューサーの二人が座っているのが見えた。
先ほどまで酒盛りが行われていたらしく、テーブルの上には缶のビールやらおつまみの乾きものやらが乱雑に並んでいた。
プロデューサーはアルコールは飲んでいないようだったが、風花は莉緒と同じように、既にお酒が大分入っているようだった。
風花は、このみの捕獲に成功した莉緒をたたえるように、ぱちぱちと手を叩いていた。
以下略 AAS



299: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:22:25.23 ID:Bg3Eqo0s0

「風花ちゃーん、このみ姉さん捕まえてきたわよー。」

「わー。」

以下略 AAS



300: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:23:34.84 ID:Bg3Eqo0s0

「あら。もしかして、プロデューサーは飲まないの?」

「ええ、まあ。……だから、俺はこれで。」

以下略 AAS



301: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:24:03.59 ID:Bg3Eqo0s0

今もそうであるが、公演の打ち上げのとき、彼は時々こうしてお酒を控えることがあった。
そして、そういう時に限ってこのみたちの誰かが酔い潰れたりして、結局プロデューサーに車で送ってもらうことになる、なんて事もよくあった。
このみは、彼がお酒を飲まないときは、自分達が安心をして、それで飲みすぎてしまうのだろうと思っていた。
けれど、二人の手の内をのらりくらりと躱し続ける彼を見て、このみはきっとそれだけじゃないのだと直感した。
以下略 AAS



302: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:24:55.35 ID:Bg3Eqo0s0

ふと彼の方を向いたとき、ミネラルウォーターのペットボトルが目に入った。
それを見て、このみは閃いた。

「ねえ、莉緒ちゃん。その御猪口貸してくれる?」
以下略 AAS



303: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:25:31.04 ID:Bg3Eqo0s0

思わず、彼はそう言葉を漏らした。
彼は、今のこの状況を掴めないといったふうに、自分の手に握られた御猪口とこのみを、交互に見た。
それから風花が、このみさんからだったら受け取るんですね、と小さく零したところで、彼ははたと我に返った。
すっかり拗ねてしまった風花を彼がなだめすかしている間に、このみは目一杯ぴんと腕を伸ばして、テーブルの奥にあるミネラルウォーターを手に取った。
以下略 AAS



304: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:26:13.10 ID:Bg3Eqo0s0

彼と風花は、そこで問答を止めて、二人一緒にこのみを見た。
彼は驚きながらも、ようやく合点がいったという様子だった。
このみは、彼の御猪口にミネラルウォーターを注いでいく。
例え水でも、こうして御猪口の中に注いでしまえば、日本酒とそれほど区別がつかない。
以下略 AAS



305: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:26:43.80 ID:Bg3Eqo0s0

これではれて、全員分の飲み物の準備ができた。
全員が自分の御猪口を持ったところで、莉緒がこのみたちをぐるっと見回した。
冗談めかして、こほん、と咳ばらいをするふりをしてから、莉緒は話し出した。

以下略 AAS



306: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:27:09.99 ID:Bg3Eqo0s0

朝方の厳しかった冷え込みもいつしか緩やかになっていて、また一つ季節がめぐり始めた。
三月の半ばの、とある日曜日。
今日の日もまた、光と音が劇場中に響き渡っていた。
観客席に居る、多くの劇場のファンたちが、光り輝くアイドルたちのステージを目撃していた。
以下略 AAS



321Res/210.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice