24:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:28:01.47 ID:D/gZfYJM0
一方で、一つ断りを入れさせてもらうならば――。
「夕美ちゃーん」
「んー?」
「これ、枝がちょっと伸び過ぎちゃったカンジかにゃ? どう思う?」
夕方、レッスンを終えて自分の部屋に戻り、鉢植えを持って夕美ちゃんの部屋に行く。
ほとんど日課と言っても良い。
そして、夕美ちゃんに聞かずとも、本当はそれくらいの判断はあたしにも既にできている。
参考文献をテキトーに(なんて言ったら夕美ちゃん怒るだろうけど)紐解いて得た知識によれば、これは剪定が必要なレベルだ。
「うーん、そうだね〜……ちょっと貸してっ」
夕美ちゃんは、毎度毎度、嫌な顔ひとつせずあたしの相談に応じてくれる。
「そうだね、ちょっと葉っぱも付いちゃってるかも……
この辺りを少し剪定してあげると、もっと高く元気に育つと思うよっ」
「わぁーい、さすが夕美ちゃんっ♪」
一つ断りを入れさせてもらうならば――やはりあたしは、夕美ちゃんに好意を抱いている。
かつてのダッドやママ以外で、初めて安心して寄りかかることのできる夕美ちゃんの存在は、あたしの中で次第に大きくなっていた。
客観的な視点を保つことは、どうやら困難になってきている。
それは否定できない。
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