23:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:24:59.61 ID:D/gZfYJM0
「それなら、あたしも好きで夕美ちゃんの自主練に付き合うから、気にしないでいいよー♪ どんとまいんど」
「だ、だからっ! 志希ちゃんが一緒に上手くなっちゃうと、差が縮まらないでしょっ!」
どうやら、一方的に負い目を感じているようである。
なーんかニホンジン的なんだよねー。卑下や謙遜は美徳ではない。ましてあたし達アイドルだよ?
「夕美ちゃんがあたしより魅力的じゃないなんてこと、絶対にないんだからね?」
「……えっ」
「まーあたしの方こそ負けるつもりないけどねー、負けてもいいけど♪」
「な、何を言ってるのぉ志希ちゃん〜!」
ユニットを組んでいるから、人気の差が現れにくくなっている、という可能性もある。
どちらが優等なのか、定量的な評価は難しい。
だが、あたしはケミストの端くれとして、物事を分析することは不得手ではない。
あえて断言しよう。
夕美ちゃんはアイドルだ。
それこそお花のように、およそ全ての人に愛される、アイドルになるべくしてなった子だ。
誰かを楽しませるための配慮も、地道な努力も惜しまない、美しい心を持った子なのだ。
徹底して自己中なあたしと違って。
ベタ褒めしすぎかにゃ?
夕美ちゃん本人に聞かせたら、きっと顔を真っ赤にして狼狽えるだろう。
あえて実証せずとも、それは手に取るように分かる。
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