120:名無しNIPPER[saga]
2019/04/29(月) 02:29:42.47 ID:SYS+AFC90
どうして皆、そうやって分かったフリをして、勝手なレッテルを貼るんだ。
その場にガックリと膝をついた。
視界に映る芝が滲んで揺れる。ブチブチと握りしめると爪の間に土が入って、それも構わず次々に引っ掴んだ。
「く、うぅぅ……!」
この草ほども、あたしには価値が無い。
「志希ちゃん」
振り上げたあたしの手を、夕美ちゃんが掴んだ。
意外と力強い、夕美ちゃんの手――。
「え……」
あたしの八つ当たりで傷つき失われた命が、あたしの手の中からポロポロと落ちていく。
そのまま夕美ちゃんは、黙ってあたしを抱き寄せた。
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