121:名無しNIPPER[saga]
2019/04/29(月) 02:32:21.72 ID:SYS+AFC90
甘い匂い――キンモクセイの香りだ。
研究を進める中で、飽きるほどに散々嗅いだはずなのに、あたしのささくれだった心は不思議なほどにその温かな匂いで安らいでいく。
「あ、うぁ……」
夕美ちゃんは、何も言わなかった。
あれが最後の言葉であってほしくない。言葉をかけたいのに、何も出てこない。
なのに、夕美ちゃんに包まれると、気持ちが良くてウトウトして、自然と瞼が閉じていく――。
「どうか、笑って……」
夕美ちゃん――。
――――。
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