15: ◆XUWJiU1Fxs
2019/04/25(木) 00:28:40.57 ID:cgXM4cARO
「ん……」
どれくらい眠っていただろうか。重たい瞼を開けて軽く頭を振る。
「あれ?」
そのままベッドに倒れこんだはずなのに、起きた俺にかけ布団がかけられていた。そしれと同時に、膝の上にほのかな重みと息遣いを感じた。
「すぅ……」
「……ゆかり?」
自分の部屋でもないというのに、ゆかりは両腕を枕にして眠りこけている。飛行機の中で随分と寝ていたはずなのに、まだまだ寝足りないようだ。寝る子は育つって言うけども。
「……動けないな」
やや変則的な膝枕状態になっており身動きが取れない。フルーツの香りとゆかりの持つ女の子の香りが混ざってしまい頭がクラクラしてしまいそうだ。
「ほんと、綺麗な髪をしてるな」
腰まで伸びた栗色がかった長い髪は彼女の女性らしさの象徴だ。手櫛を通せば流れるようにすり抜けて行く彼女の髪に憧れる女子も少なくないと聞いている。
「さらさらだ」
催眠術にかかったみたいに俺は彼女の髪を優しく撫でる。もう片方の手で自分の髪を手櫛で通そうとするもゴワゴワしていて出来たもんじゃない。
ヘアスタイリストさんに怒られてしまいそうだ。男らしいですよ、ってゆかりなら言ってくれそうだけど俺だってさらさら髪に憧れはある。
「ふぇ……?」
ゆかりの髪で遊んでいたからか目が覚めたらしい。とりあえずオーストリアっぽく挨拶してみよう。
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