85: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 01:12:04.68 ID:uFnZQdOAo
「菜々さん、優勝、できたらいいですね」
「……蓮実ちゃん、意外と肝が据わってるんですね」
「小心者で本番に弱いタイプよりは、長富くらい大らかでドンと構えててくれたほうがよっぽど助かるね」
プロデューサーは遠まわしに菜々をからかうような口ぶりで言った。
「それに、ダメだったらユニットを考え直すみたいなことは今確かに言ったが、実際そんな心配も必要なさそうだし」
蓮実と菜々が、互いの顔を見合わせる。
「お互い尊重しあえる部分があると思った。お前らなら良いコンビになれるよ」
「ですって、 菜々さん」
「…………」
もしかしたら、思った以上にこの子、大物なのかもしれない。
「私は本当の新人ですので……ご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」
「……こちらこそ、よろしくお願いします。蓮実ちゃん」
握手は3度目なのに、差し出された右手を握り返すのが今回は少し緊張した。
――まだ何処までいけるか分からないけれど、彼女のことは、これから少しずつ知っていこう。
「つーわけで、コンビ名は……」
どのみち挑戦するしか『復活』の術はないようだ。
だったら崖っぷちアイドルらしく、ぶつかって行くしかないじゃないか。
こうして3人で話し合った結果決定した、「ウサミン&ハスミン」という名の急造ユニットで、蓮実と菜々は鳴り物入りのIU参加を決めた。
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