86: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 01:15:00.59 ID:uFnZQdOAo
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その日、IU2017のエントリー会場は都内の比較的小規模なホールで行われ、菜々の予想よりは少し控えめな人数がそこには集まっていた。
とはいえこの会場は関東圏内に居を構える芸能事務所からのみやってくるようだったので、
全国規模で言えばまだまだ大勢の未だ見ぬライバルがいるということなのだろう。
実際に参加するアイドルだけではなく、各事務所関係者、報道陣など様々な人だかりができあがっている。
プロデューサーが所用で少しの間だけ離れてしまった間、蓮実と菜々はお互いがはぐれないようにぴたりとくっついて移動していた。
「あの、346プロダクションさんですか?」
そんな中、いつの間にか数名の記者やカメラマンが二人を取り囲んでいた。しまった、とも言えぬ間に矢継ぎ早に質問が飛んでくる。
「歴史ある346プロからついにIUエントリーですね!」
「えっ、あ、はい」
「超大手事務所が放つIUユニット、期待の新人コンビとして既に噂になっていますよ」
「そ、そうなんですか? 緊張しますね……」
「過去に絶大な人気を誇ったIUの復活開催ということで、346プロさんとしてどういう結果を残していきたいですか?」
「えっ? あ、あの……ごめんなさい、ナナはそういうことはよく分からなくて……」
困惑してしどろもどろになりながら、なんとか一つ一つ答えていく。
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