【デレマス】 偶像ルネッサンス
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61: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/28(日) 23:53:56.69 ID:LYkOi8G4o
 
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「以上! 新曲『ウサミン伝説最終章・第4話・その8』を聴いていただきました−!
 みんなー、自主制作CD、良かったら買ってくださーい!」

ぱらぱら、とまばらな拍手が寂しく広がる。
客席にいた何人かは曲の終わりと同時に帰ってしまったし、
照明が点いて明るくなった地下劇場は垂れ幕で壁を覆っているだけのあまりに殺風景な場所で、
演奏が終わった後のこの時間は菜々にとってあまりに心細い。それでも笑顔は絶やさない。

「……それじゃあ、またステージでお会いしましょうー!!」
「おーうナナちゃん、またなー」
「筋肉痛にならないでよ? 今日だいぶ無理してたっぽいしさ」
「な、なりませんっ! ナナはピチピチの17歳ですからっ!」
「わかったわかった。 じゃ、来週も見に来るよ」

一度買ってくれているからかCDの方には見向きもせず、常連たちも帰って行く。
ちょっとしたからかいも彼らの愛情表現の一つだから、お決まりのやりとりであっても菜々は精一杯応えるように返事をしていった。

「……今日もありがとうございましたー!!」

常連客を見送って最後にぺこりとお辞儀をし、ようやくステージから降りた菜々はスタッフから水を受け取って2、3口ぶんを一気に流し込んでいく。

「お疲れ、菜々ちゃん」
「管理人さん、お疲れ様です!」

菜々との付き合いの長い地下劇場の管理人は、ただ今日に限ってはほんの少しばつの悪そうな表情を浮かべながら歩み寄ってきた。
しかし菜々がそのとき気になったのは――とうに公演は終わっているのに、劇場の隅で立ち話をしている二人組の男女。



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