45: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 23:21:22.31 ID:8+PeY8Rzo
「今の時代、清純派を貫くっていうのはこういう事だ。
お前みたいなアイドルがコツコツ積み上げても日の目を見るには普通より時間がかかる……なんせ一度廃れちまったスタイルなんだからな」
「……それは、分かります」
悔しいが、こればかりは素直に認めざるを得ないと蓮実は渋々相槌を打った。
「確かに『帰ってきた清純派アイドル』なんて銘打って長富を売り出せば、もともとそういうのが好きだったニッチな層には受けるだろうさ。
けどお前はそれだけでいいのか?」
「それは……」
「今のままじゃ、あるがままのお前をプロデュースしたところで、よく知らない周りの人間の目には所詮モノマネアイドルにしか映らない。
『今の時代、逆にそういうアイドルがいてもいいよね』で終わっちまう」
「う……」
「清純派の復活、最高のテーマだよ。 地道に二人三脚で、一歩一歩進んでお前をプロデュースしていく――そういうやり方もできる。
その先に待つのは、お前が愛する清純派を同じように愛する、純粋なファンだけの集まりだ」
確かにそうなれば嬉しい、と蓮実は小さく頷いた。
「それもまた一つ――むしろ、そもそも長富が目指してたのはそういうアイドル像なのかもな」
「…………」
「だけどさ、想像してみろよ」
プロデューサーの口調にかすかな興奮の混じったような気がした。
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