【シャニマスSS】冬優子「それは」灯織「あったかもしれない邂逅」
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12: ◆/rHuADhITI[saga]
2019/04/07(日) 17:49:56.32 ID:khuu0cd90
「……心配、しますよ。当たり前のことです」

 だからといって、言葉の上でも同じことをするわけにはいかなかった。私は震える声を絞り出す。

 彼女の声が、心なしか低いものに変わった気がした。

「だから……何の問題ありませんって、さっきから言っていますよね」

 だけど、彼女は笑顔のままだ。

 私の心が、より一層かき乱される。でも、その理由だってもうわかっている。それは彼女の笑顔の意味を、理解できた理由と同じ。

 ずっと昔から知っていたからだ。

 同じ笑顔が私に根付いていたからだ。

 水たまりに映る自分の顔を見て、ぎごちなくしか笑えなかった一年前の自分を、どうしようもなく思い出してしまったからだ。

「ふゆさんは……」

 ああ、だから、私は。

 私は、それを口にしてしまう。告げてしまう。

「……自分のこと、お嫌いなんですか?」

 同じ傷を、開いてしまう。



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