11:名無しNIPPER[sage]
2019/04/03(水) 21:17:56.12 ID:pOwoTKMWo
『お疲れ様』
12:名無しNIPPER[sage]
2019/04/03(水) 21:18:27.53 ID:pOwoTKMWo
かつては、加群は脳幹の喫煙に対して非常に厳しかった。
それは勿論彼の身を案じているわけではなく、子供たちの成長を見守る教師としての立場からの意見だった。
愛煙家の教師など幾らでもいるものだが、木原加群という教師は煙草の臭いを付けたまま子供たちの前に立つことを嫌っていた。
ただ漫然と教師になったのではなく、高潔な精神を持って子供たちと接していた。
13:名無しNIPPER[sage]
2019/04/03(水) 21:19:22.10 ID:pOwoTKMWo
『そういえば、あの銃はどうしたのだね。元々一発撃ちきりの仕様だったようだが』
「破壊した。残骸で良ければ勝手にするといい」
14:名無しNIPPER[sage]
2019/04/03(水) 21:20:22.13 ID:pOwoTKMWo
『……いや、そうか。そうだな』
しかし、脳幹が言及しようとしたのはそこではない。科学だとか、或いは魔術だとか、そんなことは二の次で。
ただ彼は年長者として、一人の社会人の服装を叱責しようとしただけだ。
15:名無しNIPPER[sage]
2019/04/03(水) 21:20:52.93 ID:pOwoTKMWo
『無理を承知で尋ねるが、考え直すつもりはないのかい。未だこの街には君の助けを必要とする子供がいるはずだ』
「落第防止のような職が常に必要とされること自体、あまり褒められたことではないのだがね」
16:名無しNIPPER[sage]
2019/04/03(水) 21:21:36.57 ID:pOwoTKMWo
『……そうか』
だというのに、木原加群は、かつてと同じようにその成果に背を向ける。
その枠組みを越えて子供たちを救ってきた彼が、自らの姓のみを理由にして、教師であった自分を過去にしてしまう。
17:名無しNIPPER[sage]
2019/04/03(水) 21:22:03.09 ID:pOwoTKMWo
「もう良いか」
『壮健で、などと言うのもおかしな話だろうな』
18:名無しNIPPER[sage]
2019/04/03(水) 21:22:36.95 ID:pOwoTKMWo
『行ってしまったな』
一人残された脳幹は、視線を空へと向ける。
そちらには、この街の主が住まう居城があるはずだ。
19:名無しNIPPER[sage]
2019/04/03(水) 21:24:22.82 ID:pOwoTKMWo
以上です。
余談ですが、木原加群が学園都市を出たのは原作時空の三年前
つまりファイブオーバーが原作で出たのはその三年後です
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