男「この俺に全ての幼女刀を保護しろと」
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58:名無しNIPPER[saga]
2019/03/10(日) 23:06:09.59 ID:xzpENjoO0
乱怒攻流「あんた正気? 人間が幼刀に勝てるだなんて……本気で思ってるの?」

紺之介「俺としては正気を疑っているのはそちらの男の方だ」

紺之介の言葉に庄司は核心を突かれたかのようにハッと目を見開く。
以下略 AAS



59:名無しNIPPER[saga]
2019/03/10(日) 23:09:49.07 ID:xzpENjoO0
微笑を浮かべた乱怒攻流が背から明らかにその背嚢には収まらぬ長さの刀を二本取り出した。そしてその様子を目の当たりにした紺之介の軽い驚愕の表情が消えぬ内に一気に畳をけって距離を詰める。

乱怒攻流「ふんっ!」

紺之介「っ」
以下略 AAS



60:名無しNIPPER[saga]
2019/03/10(日) 23:12:43.31 ID:xzpENjoO0
両手が空いたことによりもうはや決着かと刃を突きつける体制に入ろうとした紺之介だがそこで乱怒攻流の余裕の表情が引っかかる。
『まだ何かある』と瞬時に判断し直した彼の判断はやはり正しく、乱怒背流の背嚢からは新たな刀が投げられるようにして振りかざされた。

間一髪それをかわした紺之介の横畳に深く刃が突き刺さる。しかしその常人の意表を突いた一撃は乱怒攻流が人間から距離を取るには十分な時間稼ぎとなった。



61:名無しNIPPER[saga]
2019/03/10(日) 23:14:20.66 ID:xzpENjoO0
乱怒攻流「ふーん。なかなかやるじゃない」

そう言いながら彼女は背嚢から新たな二振りを取り出す。ここまで見れば最初は若干の驚きを見せた紺之介も流石にその可能性を認めざる得ないとした。

紺之介(こいつの刀……何本はたき落としても背から生えてきやがるな)


62:名無しNIPPER[saga]
2019/03/10(日) 23:15:38.39 ID:xzpENjoO0
しかしこの男やはり剣豪を自称するだけある。
乱怒攻流が彼の腕を見誤っている限り、これだけの手数不利さえもその気になれば瞬時に覆し乱怒攻流の首を跳ねることなど容易い。だが彼の目的はあくまでも保護であり破壊ではないこと。そのことがこの両者の実力を均衡とする枷となっていた。

乱怒攻流がそのことにいち早く気づき真髄を発揮するか、その前に紺之介が彼女をただの童女に変えてしまうか……この場でただ一人、愛栗子はこの勝負の肝を悟っていた。

以下略 AAS



63:名無しNIPPER[saga]
2019/03/10(日) 23:18:27.89 ID:xzpENjoO0
座敷の中では早くも二度目の衝突が繰り広げられていた。乱怒攻流の跳飛は二人の身長差を軽々と埋め、その中で上下段に行き来する怒涛なる剣先の軌道が多彩さ攻め手を生み出している。

その様相まさしく乱舞。さすがの紺之介も防戦一方となり攻めあぐねていた。

だがその嵐のような剣舞の中でも紺之介は含み笑いをこぼしていた。
以下略 AAS



64:名無しNIPPER[saga]
2019/03/10(日) 23:20:10.70 ID:xzpENjoO0
乱怒攻流「随分と余裕そうな顔してるじゃない! それとも何? 自分の死を悟って笑うしかなくなっちゃったのかしら!」

紺之介「乱怒攻流……確か庄司はお前に刀をくれたと言っていたな」

乱怒攻流「! それが何」
以下略 AAS



65:名無しNIPPER[saga]
2019/03/10(日) 23:21:15.81 ID:xzpENjoO0
乱怒攻流「庄司……アレ、使っていい?」

それまで二人のやり取りを固唾を呑んで見守っていた庄司がハッとして反応した。

庄司「だ、駄目だ乱怒攻流たん! ここでアレを使ったら部屋中がめちゃくちゃに……!」
以下略 AAS



66:名無しNIPPER[saga]
2019/03/10(日) 23:22:01.29 ID:xzpENjoO0
二人の会話に紺之介が割って入った。

紺之介「なんの話をしているのか知らんが乱怒攻流……俺はお前が欲しくなった。保護対象としてではない。俺のものになれ、乱怒攻流」

乱怒攻流「は……」
以下略 AAS



67:名無しNIPPER[saga]
2019/03/10(日) 23:24:52.18 ID:xzpENjoO0
紺之介「お前がその姿で旅について来てくれるならば刀収集を趣味とする者としてこれ以上はない! その不可解な造りの背嚢があれば旅路にて見つけた素晴らしき刀を見限りをつけず購入、持ち運びすることができる!!!」

いつになく静けさを消し興奮して語る紺之介だったが結局のところ幼刀たちには理解が追いつかず一人は困惑の表情を浮かべもう一人は苛立ちそっぽを向いた。

だがそれは意外にも今まで口数の少なかった庄司の心にだけ業火の炎を灯した。
以下略 AAS



68:名無しNIPPER[saga]
2019/03/10(日) 23:26:25.52 ID:xzpENjoO0
庄司「っ!!!乱怒攻流たんは某の幼刀! 同士として紺之介殿には絶対に譲れんッ! 幼刀 乱怒攻流 -らんどせる- ! その者を八つ裂きにしろォ!」

乱怒攻流「よく分かんないけど……本気出していいってことね」

庄司の許可を得た乱怒攻流は両手の二刀をその場に捨てると背嚢から刀でも鞘でもない、いくつかの穴が開けられた棒を取り出してその先端を咥えこんだ。
以下略 AAS



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