552:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:34:13.81 ID:7Hi8D/RJ0
児子炉「しょう、ぐん、さま……どぉ、して……」
最早憎き愛栗子に抱えられていることも分からぬといった様子で虚に手を伸ばす児子炉の頬を愛栗子がなでる。
愛栗子「それはの、将軍様がぬしのことを最も愛しておったからじゃ」
553:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:34:54.36 ID:7Hi8D/RJ0
愛栗子「ぬしを最後の刀としたのはぬしに永遠を生きて欲しい反面でまだ人であって欲しかったという裏返しだったのじゃ。将軍様はの、本当はぬしと共に生きて、ぬしとともに永眠りたかったに違いないのじゃ」
愛栗子は児子炉の瞳で澱む涙を指で拭うと光に包まれて世を去る少女に最後の言葉を送った。
愛栗子「ほれ、はよう将軍様の所へ行ってやれ。きっと、今頃ぬしを刀にしたことを後悔して寂しがっておる……」
554:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:35:30.22 ID:7Hi8D/RJ0
児子炉「う、ん……」
微かに首を縦に動かすと児子炉は目を閉じて粉雪のように霧散した。
555:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:36:08.73 ID:7Hi8D/RJ0
方や激闘の疲れを少しでも癒し、方や感傷に浸りて暫し座り込んでいた二人であったがその空気を読んでか読まずか乱怒攻流が庄司の刀を片付けながら紺之介を指でつついた。
乱怒攻流「ちょっと〜生きてる〜? 終わったことだし早く帰りましょ?」
紺之介「少しくらい休ませてくれ。あと暫くしたら軽く穴を掘る。手伝え」
556:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:37:13.85 ID:7Hi8D/RJ0
言葉を詰まらせる乱怒攻流の後ろでおもむろに立ち上がった愛栗子は先ほどまで感傷に浸っていたのが嘘かのように扇子で軒下の黒猫と遊び始めた。
愛栗子「律儀なやつじゃの〜……ま、わらわはやらぬがの」
557:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:37:53.85 ID:7Hi8D/RJ0
乱怒攻流「……というかあんたさ、二刀流の心得とかあったわけ?」
紺之介「いや初めてだった。だが剣術に関して剣豪に不可能はない」
乱怒攻流「ふふっ、なにそれ」
558:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:39:39.34 ID:7Hi8D/RJ0
「ほんと刀馬鹿なんだから……」
559:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:40:53.46 ID:7Hi8D/RJ0
続く
560:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:41:42.98 ID:7Hi8D/RJ0
今日か明日か次で完結まで投下します
561: ◆hs5MwVGbLE[saga]
2020/02/25(火) 01:54:30.75 ID:h4Hvdco40
幼刀 Lolita sword
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