343:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:00:08.58 ID:jJ6/ECAP0
須小丸「魂が殺されたとき、一緒に砕けちまったよ。ただそれでも、ここに置いておくとまだあいつがそこにいるみたいでな……何となく飾っちまってるのさ」
紺之介「……そうか」
愛栗子「なるほどの」
344:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:02:05.01 ID:jJ6/ECAP0
>>343
すみませんミスです台詞一つ抜かしています
345:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:02:40.01 ID:jJ6/ECAP0
紺之介「となると破壊された俎板は……」
須小丸「魂が殺されたとき、一緒に砕けちまったよ。ただそれでも、ここに置いておくとまだあいつがそこにいるみたいでな……何となく飾っちまってるのさ」
紺之介「……そうか」
346:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:03:24.00 ID:jJ6/ECAP0
よく晴れた室外とは裏腹に須小丸の遺憾に濡れた重苦しい室内。
一行がそれに当てられ切り出しずらくなっているのを感じとりて須小丸自らが口を開けた。
須小丸「そろそろ本題に入っていいか。なあ教えてくれ。なんで俎板は殺されたんだ? やっぱ幼刀が異端な存在だから消されなきゃならなかったのか!?」
347:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:03:51.52 ID:jJ6/ECAP0
須小丸「俺は……見ての通り金も地位も、妻子すら持てねぇ落ちこぼれの農民だが……あいつがうちに来てからは毎日がそれなりに幸せだったんだ。あいつが包丁をまな板に当てる音で目を覚まして、うめぇ味噌汁飲んで……それで、それで……」
須小丸堪らず男泣きを見せる。
普段は無頓着な紺之介も流石に心中重く察したのか彼の話にじっと耳を傾けた。
刃踏が崩れ落ちる彼の肩を抱き背をさすり、それについて行くように奴が彼の頭を撫でた。
348:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:04:44.76 ID:jJ6/ECAP0
紺之介「すまん。実のところ幼刀 児子炉 -ごすろり- については俺自身詳しくなくてな。あの幼刀は『どういうわけか他の幼刀を憎く思っている』ということしか知らない。ここに来た理由もあんたから児子炉が俎板を襲った際、どのようなことを口にしていたか詳しく聞こうと思ったからだ」
須小丸「児子炉……? もしかして俎板を殺した幼刀の名前か」
紺之介「ああ。だが児子炉の所有者である源氏がどのような理由で幼刀を探しているのかは知っている」
349:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:05:28.89 ID:jJ6/ECAP0
紺之介「源氏という男は……ひたすら強者を求める狂人たる剣客だ。故に人知を超えた力を秘めたる幼刀と戦うことでその欲望を満たそうとしている」
須小丸「そんな身勝手な理由で俎板を……! あいつは戦を望むようなやつじゃなかったのに」
紺之介の口から聞いた源氏の人格があまりにも悪鬼羅刹をなぞっており須小丸は深く落胆喪心した。
350:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:06:25.99 ID:jJ6/ECAP0
再び額を畳に落とし涙でそこを湿らせる須小丸。
一方でもはや情報収集どころではなくなった紺之介は若干困惑気味ではあったものの、とりあえずの同情を重ね最後は刃踏に彼を一任した。
紺之介「フミ、須小丸を少し頼んでいいか」
351:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:07:45.85 ID:jJ6/ECAP0
紺之介(さてどうしたものか……)
二度目の茶居戸抜けて以降彼らは急ぎ足前へ前への旅路であった。というのも当然といえばそれで何しろここへ訪れたところで新たな幼刀を収集できるというわけではないからである。
欲しいのはあくまで有力な情報、児子炉の明確な強さ、詳細な幼刀破壊の動機等……それが集まればいざ最後の収集へ。
352:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:08:56.87 ID:jJ6/ECAP0
しかしながら貴重な情報源の男があれでは手詰まりというもの。
余裕のなかった筈の彼らにはからずも時間が生まれた。
となれば紺之介彼の人求めるはただ一つ。
353:名無しNIPPER[saga]
2019/08/02(金) 19:09:43.74 ID:jJ6/ECAP0
奴「う゛ー!」
紺之介「お、っと。はぁこれだから山里は」
乱怒攻流「いやその都では流行みたいな言い方やめなさいよっ」
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