千早「今日、母が私の家に来る」
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14:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:50:07.92 ID:MVMHgjBu0
私が違和感について考えるより前に、母は話題を変えた。
そのおかげで私はまた、それ以上違和感について考えることはなくなった。

千早「ケーキって、もしかして……」

以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:51:10.12 ID:MVMHgjBu0



日が暮れかかった頃。
私と母は、二人並んでキッチンに立っていた。
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:53:15.10 ID:MVMHgjBu0
千早「包丁、もう使わないわよね? ボウルも」

千種「ええ」

千早「お醤油はまだ使う? お塩は?」
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:54:56.92 ID:MVMHgjBu0
千早「それじゃあ……いただきます」

千種「いただきます」

二人手を合わせて、まず最初にお味噌汁に口を付ける。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:56:39.99 ID:MVMHgjBu0



食事を終えたら、母は冷蔵庫からケーキを持ってきた。
私と母とで一つずつ。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:57:54.57 ID:MVMHgjBu0
このケーキのことだけじゃない。
今日一日、ずっとそうだった。

誕生日は特別なもの。
そう思えるようにはなってきたけれど、それでも今日は、あまりに特別過ぎたように思う。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2019/02/25(月) 23:59:13.88 ID:MVMHgjBu0
そんな「夢のような時間」は、その日の夜まで続いた。
ケーキを食べ終えたら、後片付けをして。
それからテレビを見ながら、番組の話やアイドル活動の話、他にも色々な話をした。
母の質問に私が答える、それは相変わらずだったけれど。
そんな風に緩やかに時間は流れて、寝る時間になった。
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2019/02/26(火) 00:01:15.11 ID:GpBkfE9j0



千早「……ん……」

以下略 AAS



22:名無しNIPPER[saga]
2019/02/26(火) 00:02:38.69 ID:GpBkfE9j0
突然……母の姿が、ぐにゃりと歪んだ。
母だけじゃない。
視界のすべてが突然不明慮になり、歪み、滲んだ。
それが涙のせいだと気付いたのは、一瞬遅れてからだった。

以下略 AAS



23:名無しNIPPER[saga]
2019/02/26(火) 00:05:12.99 ID:GpBkfE9j0
そうだ……私は、毎朝見ていた。
今朝の母の姿を……私は毎朝見ていた。

寝起きのはっきりしない耳に聞こえてくる包丁の音。
母はいつも私より先に起きて、ご飯を作ってくれていた。
以下略 AAS



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