22:名無しNIPPER[saga]
2019/02/26(火) 00:02:38.69 ID:GpBkfE9j0
突然……母の姿が、ぐにゃりと歪んだ。
母だけじゃない。
視界のすべてが突然不明慮になり、歪み、滲んだ。
それが涙のせいだと気付いたのは、一瞬遅れてからだった。
千種「千早……!?」
滲んだ視界の中に、慌ててこちらへ駆け寄る母の姿が見えた。
それを見て私も慌てて口を開いた。
千早「っあ……! ご、ごめんなさい、どうして……? ごめんなさい……!」
鼻の奥にツンとした痛みを感じながら。
喉の奥から嗚咽が漏れるのを抑えながら。
必死に弁明しようとした。
弁明?
何を?
分からない。
どうして急に涙があふれたのか、分からなかった。
目は涙でいっぱいでもう何も見えない。
そこにはただ、数秒前の母の姿が映し出されていた。
けれどその時。
瞼の裏に映った母の姿に……いつか見た、見ていた記憶が、重なった。
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