10:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 21:04:37.85 ID:vutjDZzWo
パソコンの静かなファン音とかすかなコール音だけが自室に響く中、果たして電話はつながった。
『……もしもし?』
「……お久しぶりですな。覚えておられるだろうか」
11:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 21:06:09.50 ID:vutjDZzWo
「あるアイドルの女の子なんだが……君なら知っているかなと思ってな」
『意外ですな、隊長殿はイマドキの子らには興味ないと思っておりましたが……』
「そうだったんだが、ちょっと気になったんだ」
12:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 21:07:29.65 ID:vutjDZzWo
「Twitterでしたら、イベントなどに参加された方の呟きなども見られますのでもっと細かい情報を仕入れられますよ。
僕もやっておりますので、是非隊長殿も始めてみては?フォローして差し上げますぞ」
どうやらワッキー氏は私などよりよほど詳しいらしい。
13:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 21:09:30.11 ID:vutjDZzWo
──────
ワッキー氏の協力もあって、私は長富蓮実についていくつか新しい情報を仕入れることができた。
あれからツイッターに登録し、投稿されている情報の欠片を広い集めて回ったのだ。
14:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 21:11:14.61 ID:vutjDZzWo
『ではここで隊長殿に朗報があります』
「何かな?」
『先ほど発見した情報なのですが、実はハスミン、今度の―――』
「ハスミン?」
15:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 21:13:22.63 ID:vutjDZzWo
『隊長殿も、せっかくですしハスミンに会いに行ってみましょうよ。 それに我々にも積もる話というものがありましょう』
「そういうものかな……」
ため息を漏らしながら後ろに体を反らして大きく伸ばした。
16:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 21:16:18.19 ID:vutjDZzWo
──────
土曜日の13時5分前、電気街口の柱にもたれ掛かったまま私はワッキー氏の到着を待っていた。
秋葉原は移り変わりが激しすぎて、都内住みの私ですら何度来ても慣れない。
17:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 21:18:36.93 ID:vutjDZzWo
──────
わざわざ早い時間に来て席取りに励む輩は我々だけだと思っていたが、そうでもなかった。
家電量販店のイベントスペースにたどり着いた頃にはすでに20人ほどが列をなしていた。
18:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 21:20:27.90 ID:vutjDZzWo
「なるほど」
「この3人はさすがにご存知ですかな?」
「ああ、娘がファンらしい」
19:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 21:22:08.53 ID:vutjDZzWo
「隊長殿、こっち!こっち!」
どうすればよいかも分からぬ私を、ワッキー氏が遠くから手招きしていた。
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