18:名無しNIPPER[saga]
2019/02/20(水) 21:20:27.90 ID:vutjDZzWo
「なるほど」
「この3人はさすがにご存知ですかな?」
「ああ、娘がファンらしい」
と、妻がよく言っていた。 私もグループの名前くらいしか分からない。
娘が時々聴いていたCDはこの子達のものなのかな、と今さらながらに推測した。
「流石の人気ですよ、この3人は」
「確かに、テレビでも一度見たことがあるな」
「まさか今になってこんなファンに近い場所でイベントを行ってくれるなんて……いやはや、思ってもみませんでした」
ワッキー氏も私を差し置いて、イベントへの期待を膨らませているようだ。
話をしている間にも我々の後ろに30人、40人と次々に続いていく。
そのうち待機列は遂に向こうの突き当たりで右の角へ消えた。もはやどこまで並んでいるのかも分からない。
30分ほどした後、係員がやって来てイベントスペースへの案内を始めた。
ワッキー氏があらかじめ入手しておいてくれた整理券を一枚受け取り、
後ろから押され気味になりながらも少しずつ前へ進んでいく。
座席スペースに到達してからは静かなる戦争であった。
前列中央は瞬く間に埋まり、その後も少しでも眺めのよい席で見物したい人々が押し合い圧し合いになっている。
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