星梨花「まつりさんのお城に行きたいです」【ミリマス】
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:15:51.41 ID:1/zxA0lS0
「わたし、まつりさんのお城に遊びにいきたいです」
無邪気な一言にまつりは固まった。何故だか理由は語れないが、とにかく姫のお家には人を上がらせるわけにはいかないのだ。
「ほ? 姫のお城は高い高いお空の上にあるのです。だから星梨花ちゃんが来るは難しいと思うのです」
まつりは汗1つかかずに、切り返す。さすがは我らが姫、かわし方は心得ている。
それを聞いたら、ある程度分別がつく子は察しを込めて、それが難しい子は本当の意味で「じゃあ無理だねと」諦めてしまうであろう。
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:18:03.71 ID:1/zxA0lS0
ただ幸か不幸か、目の前の女の子は暴力的なまでの純粋さと、たいていの願いを叶えられるほどの財力を持っていた。
「そうなんですね。ならパパにジェット機をチャーターしてもらいます」
ルン、とステップを踏みながら答える星梨花。焦りによって固まってしまうまつり。皮肉ながらも2人の態度は対照的であった。
以下略
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:19:47.61 ID:1/zxA0lS0
そこでまつりは浮かんでいる疑問を言うことにした。決して話をそらすためではない。
「それにしても星梨花ちゃん。どうして急に姫のお城に来たい、なんてことを言い出したのです?」
「あの……エミリーちゃんのことです」
以下略
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:21:43.84 ID:1/zxA0lS0
それを聞いてまつりは自分が少し反省した。何も星梨花はまつりを困らせるようなつもりではなかった。
自分と仲良くなりたいというストレートな好意がそこにあったのだ。そうならば一国一城の姫として応えないわけにはいかない。
「ごめんね、星梨花ちゃん。やっぱり姫のお城にご招待はできないと思うの」
以下略
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5
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:22:25.97 ID:1/zxA0lS0
さて当日、星梨花が集合場所に着くとすでにまつりは到着していた。
目立つからか普段ほどはお姫様のような格好は抑えているが、バックや小物類にお姫様らしいコーデをうまく溶け込ませていて、星梨花は感心した、
「ごめんなさい、お待たせしちゃいましたか」
以下略
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6
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:23:45.33 ID:1/zxA0lS0
現在の時刻はちょうどお昼ほど。「ランチをするのでお昼は食べてこないように」とまつりに伝えられている。
早速、ご飯の話をするのも忍びないが星梨花は切り出すことにした。
「それで、あの、ランチはどこにいくのですか?」
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7
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:25:14.13 ID:1/zxA0lS0
街のメインストリートを少し離れた通りにその店があった。
そこはビルの一角であり、知らなければ見逃してしまうかもしれない。
まつりは慣れた手つきでエレベーターに乗る。好奇心と不安混じりに星梨花がキョロキョロとしていると探偵社が1階に入ってることに気づき、どんなところなんだろうと思った。
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:26:06.16 ID:1/zxA0lS0
ドアを開けるとカランコロンと鈴の音がした。コップを拭いていた眼鏡の女性店主さんが顔をあげて「いらっしゃいませ」と出迎える。
店内は少し薄暗いだろうか、店名にウィッチと冠してるだけあってか魔女を連想するような小物類、ティーカップ類が置いてあり、星梨花の好奇心をそそった。
「あら、まつりちゃん久しぶりね。隣にいるのはお友だち? ずいぶん可愛らしい子ね」
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:28:00.51 ID:1/zxA0lS0
店主に促され、イスに座る。
星梨花はブランド名を多数知ってるわけではないが、物の良し悪しは多少は分かる。このテーブルセットはそれなりにいい物だと感じた。
「星梨花ちゃん、これなんてどうなのです」
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:31:33.48 ID:1/zxA0lS0
パンケーキが運ばれてくるまでは、星梨花はまつりと色々な話をした。
「パンケーキが楽しみですね」だとか「ここの店主さんもクラゲやウミウシが好きでよくお話をするのです」だとか。でも最終的にはやっぱりアイドルの話になったりした。
何分か待ったあとパンケーキが到着した。
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:33:28.20 ID:1/zxA0lS0
生地はしっかりと詰まっているのに、しっとりふんわり。キメが細かくてバターも効いていてじゅんわり美味。
そのまま心がトロトロと溶けてしまいそうで。
「まつりさん、とってもおいしいです」
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:34:26.14 ID:1/zxA0lS0
さて腹ごなしも済んだところで「次はどこに行くのですか?」 とまつりに聞くとショッピングをしようとのことになった。
友だちと買い物に行く機会があまりない星梨花のテンションが上がったのは言うまでもない。
先ほどの店から東へ数百メートル歩いたところに目的のお店はあった。
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:35:51.66 ID:1/zxA0lS0
一体どんな場所なんだろうと自動ドアをくぐると、目に飛び込んでくる商品の数々。かわいい、が無限に溢れてた。
「わぁ……!」
「……ね? いいところでしょう」
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:37:17.14 ID:1/zxA0lS0
「あっ! わたし、あれ欲しかったんです」
星梨花はサングラスが陳列された回転式のメガネスタンドを指差した。
「ほ? 星梨花ちゃんはサングラスが欲しいのです?」
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:38:04.45 ID:1/zxA0lS0
「むぅひどいです。そうだ、わたしもまつりさんに選んであげますね」
「どんとこいなのです」
星梨花が選んだのは、こちらからみて相手の瞳が見えないほどの真っ黒なサングラス。もちろん彼女も茶目っ気を入れつつ選んだ。
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:39:00.65 ID:1/zxA0lS0
次に2人が来たのはアクセサリーのコーナー。やはり女の子同士で雑貨屋さんに来てここは欠かせない。
「まるで宝石箱みたいですっ」
アイドルなのである程度アクセサリーは見慣れてるかもしれないが、大量に陳列されている中から自分がそれを選べるという状況は星梨花にとって貴重だ。
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:40:29.12 ID:1/zxA0lS0
一通りアクセサリーのコーナーを見終わり、生活雑貨の方を見ることにした。
雑貨をみながら2人はいっぱいいっぱいおしゃべりをした。
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:42:19.70 ID:1/zxA0lS0
さて、あっという間に時間は過ぎ、店を出た頃にはすでに日が暮れかけていた。
星梨花は店を出て、夕日を見た瞬間に気付いた。まつりと過ごすこの楽しい時間は終わりが近づいていると。
「……」
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:44:36.47 ID:1/zxA0lS0
まつりは自身のバッグからあるものを取り出した。
「星梨花ちゃん、姫からのプレゼントなのです」
「えっ?」
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◆z80pHM8khRJd
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2019/02/20(水) 00:45:25.82 ID:1/zxA0lS0
「あの、早速つけてみてもいいですか」
「もちろんなのですよ」
手間取る星梨花をみて、まつりがイヤリングをつけてあげた。
以下略
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