俺様娘「なんつーか、世の中、色々フクザツだろ?」
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23:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/08(金) 23:25:48.24 ID:r+/yxZP+0
「……守って、欲しいな」

思わず、そう独りごちた。
周囲は死屍累々といった有様で。
戦場という名の地獄を、物語っていた。

「ヒーローはどこに居るんだろう?」

ヒーロー。すなわち、それは英雄だ。
そうした存在はおとぎ話によく登場する。
しかし、この現実世界で遭遇した経験はない。

「今日も、空が真っ赤で綺麗だなぁ」

赤く染まる空を見上げて、見たままを呟く。
只今の時刻は真昼間なのにも関わらず。
まるで朝焼けか夕暮れのように、空が赤い。

「なにもかも、燃えていく……」

草も木も車も家も町も国すらも、全部。
世界中で火の手が上がり、燃え盛っていた。
夜になってもそのあまりの明るさに眠れない。

「ああ、ダメだ……また、落ちる」

赤い空を引き裂く、戦闘機の爆音。
けたたましい空襲警報のサイレンが鳴り響く。
散発的に行われる対空砲火を、嘲笑うように。

ズドンッ!

「うわっ……今のはわりと近かったなぁ」

ビリビリと身体に伝わる衝撃波。
どこかで窓硝子の割れる音がした。
爆風が頬を撫でて、その熱波により。

流した涙は、乾いて、消えた


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