「おはよう。捻挫少年。」
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18: ◆PeRWG5nqdc[sage saga]
2019/01/11(金) 11:13:12.60 ID:piIM8FBL0

「あの、これ、あの時落ちていた携帯なんですけど」
「それ私のです!携帯も拾ってもらってたんですね。助かりました。
少し不便していたんです。…すみません、なんか私ばっかり色々拾ってもらっちゃって…。」
「…あの、今年はもう受験勉強を始めなきゃダメな年でしたし、あんまり期待されてなかったので、別に良いんです。
別に転ばなくてもここに来たと思いますから。」
「そんなこ…」
女性はそう言いかけて止めた。
知らない相手に「そんなことない」と言うのは無責任だと思ったのか分からないが、
彼女なりの配慮だと分かった。

それでも、自分の言葉と彼女の気遣いが何かを軋ませている。

「すみません、それじゃ…」
居たたまれなくなって、もう図書館は出ようと出口へ向かう。


すると、すぐに進行方向に彼女が立ち塞がった。

「あの!」
意図しない行動に戸惑っていると、彼女はおもむろに言った。

「……じゃあ、私が勉強を教えます。」

突然の提案に、思わず顔を見る。

「私が勉強を教えます。」

2回そう言ったあと、彼女は、にかっと笑った。初めて、ちゃんと目があった気がした。


「嫌でも頼みますね。捻挫少年。」





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