だいたいなんでも解決してくれる杏ちゃん小品集
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84: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 20:39:44.24 ID:p8Id/7Jt0
 どういう意味か、と問いたくもあったが、ともあれ杏は指した。本人が平気と云うのなら今は勝負の続きだ。巴は盤上に目を向けた。

 ――7四歩。

 なるほど妙手だ、と巴は心の中で唸った。次に桂馬を取った手が王手になる。
以下略 AAS



85: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 20:40:46.23 ID:p8Id/7Jt0
 意表を突かれた王手だったが、歩は金取りに残っている。うまくすれば後で拾えるかもしれない、などと思いながら、巴が8三に玉を逃がす。
 杏は続けて7二に銀を打った。王手飛車取り、とはいえ、この地点には何も利いてはいない。タダ捨てだ。
 巴、同玉。杏、7九飛、再三の王手がかかる。

「ぬぅっ……」
以下略 AAS



86: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 20:41:49.18 ID:p8Id/7Jt0
 巴がほっと息をつく。飛車を奪われてしまったが、連続王手は途切れた。巴、6七歩成。金を取り、敵玉に王手がかかる。杏、同玉。

 持ち駒を確認する。金三枚、銀二枚、桂。方や杏は持ち駒を惜しげもなくばらまいたせいで、飛車しかない。駒の損得では負けていないだろう。
 しかし自玉はかなり危険な状態にあるように見えた。左が広いが、6五の桂馬がうるさい。まずはこいつを黙らせなければならない。
 巴は6四に銀を打った。杏は8二飛、王手だ。


87: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 20:42:49.27 ID:p8Id/7Jt0
https://i.imgur.com/8cBhszS.jpg


88: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 20:45:02.51 ID:p8Id/7Jt0
 飛成でも同じように王手がかかるのに、わざわざ持ち駒を使うんか?
 巴は首を捻りつつ、4三に玉を逃がす。杏、3二飛成。
 寒気がした。打ったばかりの飛車を、ためらいもなく捨てる一手。
 まさか、と思った。

以下略 AAS



89: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 20:45:39.79 ID:p8Id/7Jt0
 巴、同玉。杏、5三金。巴、同銀。杏、同桂成。巴、同玉。杏、4五桂。巴、同歩。杏、4四銀。巴、同玉。杏、4二龍。

「どうする?」と杏が囁く。

「……もう何手か、指そうかの」
以下略 AAS



90: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 20:47:21.53 ID:p8Id/7Jt0
「ありません」会釈しながら、巴がつぶやく。

「おつかれー」

 杏がソファに深く体を沈め、はあっと大きく息をつく。
以下略 AAS



91: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 20:48:39.28 ID:p8Id/7Jt0
 いや、これだけ指せるから、だろうか。巴が将棋好きだといっても、所詮十三歳の小娘のこと、自分の相手にはならないだろうと考えたのかもしれない。事実、その通りだったわけだが。
 どんな経緯で杏が将棋を覚えたのかはわからない。しかし、杏こそ、勝負になるような相手がいないのではないか。勝って当然の退屈を味わっているのではないか、と思った。

「……また、相手してくれるかの?」

以下略 AAS



92: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 20:50:08.35 ID:p8Id/7Jt0
 いい目標ができたが負けは負け、やはり悔しいものだ。あとで誰か相手に気晴らしでもしちゃろうか、と考えつつ部屋を出て行こうとした巴だったが、

「あ、待って」

 杏の声に振り返る。
以下略 AAS



93: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 20:51:15.24 ID:p8Id/7Jt0
 ゆっくりと足を進めながら、ちらりと真横に並んだ顔に目を向ける。
 いつ見ても十七歳とは思えない、自分より年下の子供のような容姿だ。

「うん? どうかした?」と杏が云う。

以下略 AAS



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