84: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 20:39:44.24 ID:p8Id/7Jt0
どういう意味か、と問いたくもあったが、ともあれ杏は指した。本人が平気と云うのなら今は勝負の続きだ。巴は盤上に目を向けた。
――7四歩。
なるほど妙手だ、と巴は心の中で唸った。次に桂馬を取った手が王手になる。
6六の銀を取り、桂馬を取られ、玉で歩を払う。杏は金で6六の歩を払う。互いに攻め手は止まり、角桂と銀二枚の交換となる。相手の陣形は乱せるものの、駒の勘定では到底得とは云えまい。
しかし、この歩を取ってしまうのは、玉が突っ込み過ぎて危険であるように見えた。仕切り直すつもりで、巴は6六の銀を取る。だが局面は、巴の想像したようには進まなかった。
杏、7三歩成。巴、同玉。そこまでは読み通り、しかし杏はそこで、空いた6五の地点に、取ったばかりの桂馬を打った。
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