390: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/25(月) 10:10:04.31 ID:xjPFSqoxO
加賀の艦時代について言えば、元々戦艦となる予定のものを無理やり空母に改装したこともあって、どうしても船体が重くなり速度も他と比べ遅いという欠点があった。
艦娘は装備については比較的艦時代の影響を受けない装着が可能なのだが、艤装の推進ユニットについてはもろに艦時代の性能の影響を受けている。
だから加賀に艦時代には存在しなかったはずの烈風を搭載することは出来ても、加賀の速力を他の正規空母と同等にすることは基本的には出来ない。
391: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/25(月) 10:10:43.47 ID:xjPFSqoxO
加賀は加賀であり続ける以上、“鈍足空母”から逃れられないのだ。
それは瑞鶴も稀にヒートアップした喧嘩などで罵る材料に使うことでもあるではないか。
瑞鶴「そんな...嘘だよ...」
392: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/25(月) 10:12:16.79 ID:xjPFSqoxO
那珂「私もあの場ではそんなこと全く分からなかったけど...今思えば加賀さんは間違いなく瑞鶴さんを心配してたよ」
那珂は瑞鶴の心に残るモヤモヤを払拭してやるためにも、さらに詳しい話を始めた。
那珂「最初に私達を執務室に呼んだ時は、提督もまだ瑞鶴さんから援軍を求めるかもしれないって聞いてただけだったからね」
393: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/25(月) 10:12:51.17 ID:xjPFSqoxO
瑞鶴「航空戦の最中の...」
那珂「そう。その時の加賀さんは明らかに動揺してたよ」
瑞鶴の目が見開かれる。
394: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/25(月) 10:14:01.82 ID:xjPFSqoxO
那珂「それで提督が無線の内容も踏まえてすぐに空母中心の救援部隊の編成を決めたの」
那珂「その編成内容が一航戦と二航戦の正規空母4人を基本にするものでみんなそれを当然だと思ったんだけど...」
翔鶴「そこで加賀さんが「私は行かない」と言ったんですか...?」
395: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/25(月) 10:14:43.06 ID:xjPFSqoxO
那珂「そしたら少しするとなぜかみんな納得したみたいな顔をしてね、結局加賀さんが代替案を出してそれがそのまま通ったの」
那珂「でも私は、そういえば今朝も瑞鶴さんと加賀さんは喧嘩してたし、それで拗ねてるのかなって思って...」
その時考えたことはまさに蒼龍づてに瑞鶴が聞いたストーリーと同じであった。
396: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/25(月) 10:15:35.67 ID:xjPFSqoxO
那珂「でもね、あそこに居たメンバー全員と提督が、そんな理由で最高練度の正規空母が出撃拒否するのを認めるわけないって思ったの」
執務室に居たメンバーは自分以外は全員古参勢で、さらに作戦計画を手伝うような者すら多かった。
そんな人達が私情まみれの自己中な行動を容認するとは到底思えない。
397: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/25(月) 10:16:09.16 ID:xjPFSqoxO
那珂「...その時はまだ、加賀さんが「行けない」って言った意味を考えたりまではしなかったんだけどね...」
那珂「あの時理由を察せなかったのは那珂ちゃんだけだったかも...」
那珂はあざとく苦笑いをした。
398: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/25(月) 10:17:09.27 ID:xjPFSqoxO
那珂「自分の速力で到着が遅れることを気にしたから、で間違いないだろうね。多分、自分が行きたい気持ちもあったと思う...」
那珂「だからこそわざわざ二航戦の2人に烈風を自分の手で渡して託したんじゃないかな?」
那珂「蒼龍さんが言ったっていう「気が立ってた」ってのも、瑞鶴さん達が心配で仕方なかったからだと思うよ」
399: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/25(月) 10:17:51.89 ID:xjPFSqoxO
瑞鶴は完全に理解してしまったのだ。
那珂の話を聞いて、今度は加賀を憎もうとする方が困難になっていた。
瑞鶴「いっぱい...ひどいこと言っちゃった...」
400: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/25(月) 10:18:49.15 ID:xjPFSqoxO
瑞鶴「でも...!今まで速度のこと散々馬鹿にしてきちゃったのに...」
瑞鶴「もうどんな顔して会えばいいか分かんないよっ...!」
自分を責めてしまっている瑞鶴を見て、那珂は先ほどある人に言われたことを思い出した。
624Res/292.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20