224: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:23:40.54 ID:J91t5PLpO
電はといえば深雪と別れ食堂を出るところである。
もう先程の騒動の空気感はどこかへ行ってしまったようで、周囲はごく日常的で平和な喧騒で包まれている。
その時、3人の所にとある艦娘が話しかけてきた。
225: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:24:44.81 ID:J91t5PLpO
雷「電と深雪はまだそういう関係じゃないわよ?」
いわゆる大衆雑誌のような内容を取材する事がほとんどな青葉。
それを踏まえて雷は、この3人のみがいる状況で尋ねてきたという事実から、おそらくは電に関するスクープ狙いと推測して先に断りを入れたのだった。
226: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:25:34.63 ID:J91t5PLpO
青葉「その、先程もそうでしたが、電さんが何故あそこまで山城さんを助けるのか気になりまして」
響「...!」
青葉「姉妹艦の皆さんなら何か知ってるんじゃないかと思ったんです」
227: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:27:00.05 ID:J91t5PLpO
青葉「...私は電さんが何か事情を知ってるからだと思います」
青葉「その事情のためにいつも山城さんを助けるのでは、と。」
228: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:28:40.55 ID:J91t5PLpO
響「残念ながら私達が知ってることは何も無いんだ」
暁や雷が躊躇いなく話そうとするところに、響が被せるように言った。
何となく響から警戒心を読み取った暁と雷は驚きと不安を隠せぬまま黙って響を見つめた。
一方の響は動じずクールな表情を保っている。
229: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:29:54.50 ID:J91t5PLpO
青葉「...やはり警戒しますか」
青葉も伊達に“取材”を続けてきたわけではないのだろう、その経験を活かしてか普段そこまで接点が多いわけでもない艦娘の心理を見事に読んでみせたのだ。
青葉「ですがこれは決して記事にするとかではなく、私個人のために内密に調べてることなんです」
230: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:30:51.45 ID:J91t5PLpO
響「...青葉さんが本気なのは分かったよ」
ひとまず青葉の意図を信頼し、警戒姿勢を緩める響。
響「ただ警戒したメインの理由はそこじゃないんだ」
231: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:31:58.28 ID:J91t5PLpO
雷「まぁ...この鎮守府で進んでやることじゃないわよね...」
響「特に青葉さんは時雨と同時着任で仲も良いじゃないか」
響「それでも本当にそんな調査をしたいと思えるのかい?」
232: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:33:29.74 ID:J91t5PLpO
もちろん鎮守府の雰囲気に流されずに中立や擁護すら見せる艦娘達も数人はいる。そして彼女らがその立場を理由に飛び火して嫌われるという事態は一切起きていない。
しかし彼女達はほとんどが古参の面々で、戦力的にも精神的にも鎮守府に大きく貢献している者達であることも同時に忘れてはならない。
つまりそれだけの存在だからこそ周囲の行き過ぎた山城嫌いを抑制できるのであって、これを他の者が安易に真似る事は得策ではない。
233: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:35:25.65 ID:J91t5PLpO
青葉「...覚悟は決めてあります」
響の言葉で空気が重く沈んだが、やがて青葉が口を開いた。
青葉「もちろん私は時雨さんとは仲が良いです」
234: ◆eZLHgmSox6/X[saga]
2019/03/09(土) 01:36:41.42 ID:J91t5PLpO
暁「そう思うきっかけがあったのかしら?」
暁がそう尋ねると、青葉は意を決したように言葉を続けた。
青葉「ええ、数日前に古鷹さんがふと零した言葉が忘れられなくて...」
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