年越し代行
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18:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 20:54:01.69 ID:JbQZeQhn0
 こういう時、マクドナルドは助かる。
 多少高い気もするが、良くも悪くも、変わらぬ味は期待を裏切らない。

 何より、耳障りな喧噪が心地よかった。
 周りへの迷惑などまるで省みず、下品な声ではしゃぐ高校生。
 床に座り込み、この世の終わりかとばかりに両親の前で泣き叫ぶ子供。

 普段ならイライラさせられる光景も、その感情を他の人達と共有できることが、何だかありがたかった。
 変な話だけど、社会の一員になれたような気がして、寂しさを紛らわせてくれる。


「おっと」

 急に近くを通りがかった男がよろめき、窓際のカウンター席に座っている僕に左側からぶつかった。
 たまらず僕は、左腕を押さえる。

「あ、ッス」
 雑な謝罪を投げつけられたが、傷を刺激されたら、それどころではない。
 激痛を堪えるのに必死で、ロクに応えてやれる余裕などなかった。


 まだ痛みは引かないが、ようやく呼吸が落ち着いた所で、僕は顔を上げた。

 男は、僕にぶつかった事などもう忘れたような顔をして、携帯電話を弄っている。
 スマートフォンというらしいその携帯には、よく見るとボタンが無い。



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