17:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 20:50:03.69 ID:JbQZeQhn0
横浜駅は、未だに工事をしている。
電車のダイヤはいつの間にか改正され、予定した電車の一本後に乗った。
駅を降り、目の前の風景が記憶とまるで違うので、咄嗟に引き返すが、やはり目的の駅だ。
いつまで経ってもなぜか慣れない会社へ行く。
途中、ラーメン屋だったはずの薬局の前を通り過ぎ、コンビニでは目を疑うほど高いタバコを買わされた。
同僚の話題には、ほとんど分かる単語が無い。
曖昧に相槌をうち、愛想笑いを浮かべていたが、我慢できずに席を立った。
「すみません。ちょっと俺、一服してきます」
「おい、何を言ってるんだ。ウチは何年も前から全フロア禁煙だぞ」
上司に呆れ顔で注意され、僕は言葉を失った。
左腕の傷は、自傷癖がある危ない奴と誤解されるには十分だった。
そして、僕のことをアスペ、アスペと、同僚達が影で言っているのが聞こえる。
パソコンのインターネットで調べてみると、アスペルガー症候群というもののことらしい。
耳慣れない言葉だが、どうやら自閉症の一種――。
あぁ、なるほど――社会性や、コミュニケーション能力の欠如、か。
昨年の記憶は無いのに、僕はますます社内で孤立する感覚を覚えた。
そうこうしている内に、昼休みである。
当然に、僕には一緒に昼飯を食う友達はいない。
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