16:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 20:47:29.46 ID:JbQZeQhn0
――気づくと僕は、見慣れないマンションの一室で目が覚めていた。
金が無いので銀行へ行くが、年始のこの時期は開いておらず、コンビニに行ってみる。
真新しいATMに悪戦苦闘しながら何とか操作を進めると、預金高は見たこともない額に達していた。
――またこの感覚だ。
何か、同じ事を無為に繰り返しているような感覚。
大した仕事に就いている訳でもないのに、不釣り合いに溜まった預金を前にして抱く、どうしようもない空しさ。
ふと、左腕に激痛を感じた。
コンビニを出て袖を捲ると、腕にはタオルが巻かれている。
慌てて家に戻り、タオルを取ると、刃物で傷つけたかのような、意図的で大きな傷跡があった。
そして、それは何かの文字か記号のようにも見えた。
一体、誰にやられた?
誰がこんな酷い事を――そもそも、誰かの恨みを買うような事を僕がしたのか?
病院にも行ってみたが、どうやら傷跡が完全に無くなる事はないであろうとのことだった。
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