勇者「彼は正しく英雄だった」
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404:名無しNIPPER[saga]
2019/02/07(木) 23:12:16.34 ID:ltwtokG1O

踊り子「……」

錬金術師「……私はね、これは非常に傲慢な言い方になるけれども、魔術に愛されていた。
     当時としては魔力に恵まれていたし、比類なき魔術師であると自負していた」

錬金術師「だからだろうな。人々がそれを享受しないことが耐えられなかった。魔術を忌み嫌う、排他的な人々に暗い怒りを燃やした」

錬金術師「若かった私は、魔術を嫌う世相を変えようとした。魔術には有用性があり、人々の暮らしを豊かにする。そう信じていたからだ」

踊り子「貴方は戦ってしまった?」

錬金術師「怒りに任せてな。結果、私は全てを失い、魔術師は危険な存在であると決定付けられた。
     私が招いたのは理解からは程遠い、更なる不信と差別だった」

踊り子「それはきっと、遠い昔なのでしょう」

錬金術師「そう、遠い昔だ。国は数多くあり、戦はなく牧歌的で、和やかに停滞していた時代。今よりも遙かに平和だった」

▼錬金術師は杖を弄びながら遠くを見た。

▼遠い過去に思いを馳せているようだ。



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