勇者「彼は正しく英雄だった」
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403:名無しNIPPER[saga]
2019/02/07(木) 23:10:20.55 ID:ltwtokG1O

踊り子「罪」

錬金術師「罪とは普遍であり何処にでも存在する。どんな人間にも罪はある」

錬金術師「教会も罪を象徴する一つと言えるだろう。人は此処で祈り、告白する。人はいつも苛まれている」

踊り子「人そのものが罪であると言いたいのですか?」

錬金術師「それは行き過ぎだ。私はただ、罪は誰の心にもあると言っているだけだ。
     人はほんの些細な間違いをすら後悔し、己を縛り付ける。罪の芽生えは必ず起こる」

錬金術師「先程の魔術はそれを利用したものだ。関連付け、意味を持たせ、魔術とする。この栂の杖は、正に最適な素材だった」

踊り子「罪は何処にでもある、ですか」

錬金術師「少し違う。咎は何処にでも生える」

踊り子「では、貴方の考えでは栂の生らない場所などないと言うわけですか」

錬金術師「遙か昔、私はそう考えた。あの頃は楽しかった。新たな発見に満ちた日々だった。
     私は知識を独占せず、人々に役立てた。だが、人は更に魔術を嫌った」

▼錬金術師は寂しげに笑った。



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