2:名無しNIPPER[sage]
2018/12/03(月) 22:54:03.10 ID:HY1MskrZ0
そうして迎えた十二月三日。
この日は担当アイドルのうちの一人、野々原茜の記念すべきバースデイでもあった。
3:名無しNIPPER[sage]
2018/12/03(月) 22:55:17.16 ID:HY1MskrZ0
…で、あるからして。
「当然覚えているに決まっている」と私は彼女に返してやった。
4:名無しNIPPER[sage]
2018/12/03(月) 22:56:16.55 ID:HY1MskrZ0
===
「あっ、プロデューサーさん」と、控え室に現れた私に幾つかの視線が集う。
普段使われている長机には茜の他に二人の人間、天海春香と北上麗花の姿があり、
5:名無しNIPPER[sage]
2018/12/03(月) 22:57:18.42 ID:HY1MskrZ0
「茜ちゃんのパーティ中止なんだそうです」
そう麗花がしょんぼり口を開けば。
6:名無しNIPPER[sage]
2018/12/03(月) 22:58:41.86 ID:HY1MskrZ0
「なぁ春香、この黒ペンで書き込んでるのはひょっとして……」
「……社長です。たまたま私たちと一緒にこっちへ来てて」
7:名無しNIPPER[sage]
2018/12/03(月) 22:59:54.86 ID:HY1MskrZ0
結果、ホワイトボードの隅に書かれることとなった茜の返信――慌てた筆跡の「いったん中止」が痛々しく視線をひくのである。
そうして、それを書かざるを得なかった本人の落ち込む姿というのも、また。
8:名無しNIPPER[sage]
2018/12/03(月) 23:00:52.59 ID:HY1MskrZ0
「随分とやられてるじゃないか。……それとも、黙ってたのは演出を考えていたからか?」
茜が僅かに顔を上げる。
9:名無しNIPPER[sage]
2018/12/03(月) 23:02:09.76 ID:HY1MskrZ0
「それで、何をするつもりだ。良かったら相談聞いてやるぞ」
「……プロちゃんが?」
10:名無しNIPPER[sage]
2018/12/03(月) 23:03:16.39 ID:HY1MskrZ0
すると茜は小さく鼻をすすり。
「だ、だったら……茜ちゃん、最初はパレードから始めたいでーす!
劇場の前の道路をこう、サンバサンバのカーニバルで練り歩きながら駐車場に入ってくるの」
11:名無しNIPPER[sage]
2018/12/03(月) 23:04:19.58 ID:HY1MskrZ0
===
とはいえ、夢というヤツは決まって最後に覚めて終わる。
アイディアをあらかた出し尽くすと、茜は落ち着くように息を吸い込んでから。
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