10:名無しNIPPER[sage]
2018/12/03(月) 23:03:16.39 ID:HY1MskrZ0
すると茜は小さく鼻をすすり。
「だ、だったら……茜ちゃん、最初はパレードから始めたいでーす!
劇場の前の道路をこう、サンバサンバのカーニバルで練り歩きながら駐車場に入ってくるの」
私に負けじと立ち上がると、彼女はその手を大衆に見立てて机の上を行進させる。
声にはいつもの張りが戻り、語る口ぶりもお調子者の見せるソレだ。
「で、エントランスに着いたらバーンバーンって祝砲ね。グッズ売り場にはもちろん茜ちゃん人形をどっちゃり置いて、
ステージの上もサーカスみたいに飾り付けて。――そうだ、プロちゃん象も用意できる?」
「必要とあらば恐竜だって持ってくるさ!」
「さっすがプロちゃんなんでもできるー♪ それでねそれでね、
ライブでは茜ちゃんの歌以外にも本格的なマジックやスケートショーなんかも披露するの!」
「なるほど、そうすればお客さん大喜び」
「拍手喝采で茜ちゃんだって大喜び! 楽しいステージになりそうだよね――」
説明する彼女は嬉しそうに笑う。
私たちはしばらくの間、人が聞けば、馬鹿話以外の何物でもない荒唐無稽な夢物語を語り合った。
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